ジェイアール東日本企画は、14日にメディアに向けた説明会を実施。「2014年度交通メディアの動向」と、新たにスタートした「jekiソリューションレポート」について話した。
交通媒体局局長の古川義夫からは、首都圏における2014年度の交通媒体の売上推移についての説明がなされた。2014年度は424.33億円で、前年比97.9%となった。中づり広告においては、特に出版業界からの出稿が減少していることが響いたという。
ポスター、ステッカーなどの従来のスペースが苦戦している一方で好調なのがデジタルメディア。トレインチャネルは約2万4600面の設置(5月1日現在)と規模が拡大していることに加え、2015年3月においては、単月で初めて売上が10億円を超えるなど好調に推移。前年比103.5%となった。駅の改札近くに設置される縦型のデジタルサイネージ「J・ADビジョン」も、設置駅が進んでいることから、前年比115.3%と大幅増となった。
その後、コミュニケーション・プランニング局局長の緒方 敦氏から「jekiソリューションレポート」の取り組みについて紹介。交通広告に関連する内容だけではなく、幅広い観点から生活者調査を行い、情報発信していくという。
続いて、初回のレポートとなる「耐久消費財における交通広告の有効性」について説明が行われた。耐久消費財の中から、「マンション」「乗用車」「家庭用ドラム洗濯機」を取り上げ、交通広告がどのような役割を果たしているかについて調査した。
購入見込がある人に、交通広告によって受けた影響を聞いたところ、「商品名を知るきっかけになった」が43.9%、「商品名を覚えた・思い出した」が29.4%となり、商品認知に関する項目が高い結果となった。一方で、「購入を決めた」も10.4%となった。
耐久消費財の場合、購買決定するまでには多数の情報に触れ、検討しているケースが多いため、交通広告だけの情報を見てすぐに購買決定というのは考えにくい。さまざまな情報に触れてきたうえで、交通広告が後押しになったなど、「購入を決めた」と回答した人の情報接触の全体が見えてくると、より詳細な効果が分析できそうだ。
それ以外にも、交通広告を情報源に含んでいる人は、ブランド好意度が高いことや、情報接触後に行動を起こしやすいといった調査結果を発表した。
今後も定期的に調査を行い、「jekiソリューションレポート」として発表していくという。
■調査概要
調査方法: インターネット調査
調査エリア: 首都圏(東京・千葉・神奈川・埼玉)
調査対象者: 調査エリア在住の20歳以上59歳以下 男女個人 山手線を週1回以上利用
調査期間: 2014年12月22日(月)~26日(金)
調査カテゴリー:マンション・乗用車・家庭用ドラム式洗濯機
調査協力: クロス・マーケティング