「人口比率で見れば、ニュースアプリの伸びしろはある」——。ニュースアプリ「wanpick(ウォンピック)」の配信スタートから約1週間、運営元オープンエイトの高松雄康社長はこう考えを述べた。「ニュースは、老若男女関係なく誰もが読みたいもの。日本市場だけでも、1億2000万人の規模と、現存するニュースアプリのアクティブ(利用)率を考えれば、レッドオーシャン(成熟市場)にはなっていない」
「ウォンピック」は、FacebookやTwitter上で共有回数の多い外部メディアのオンライン記事を、「ビジネス」や「エンタメ」といったカテゴリーに分け、1時間ごとにランキング形式で配信する。記事はアプリ内のブラウザで表示し、ページビューは配信元のサイトに加算される。元記事に掲載された広告もそのまま表示する。
収益化の手段については、「今後、ユーザー数が増えれば、外部メディアや企業と提携し、課金によるコンテンツ配信やEコマース、動画広告による収益化を検討したい。ただ、いずれにせよ日間ユーザーが数万人規模は必要。それまではユーザー規模の成長に集中する」(高松社長)とした。
オープンエイトは化粧品口コミサイト「@cosme」運営のアイスタイル子会社で、ほか2社が出資して4月に立ち上がったばかり。主力事業は「@cosme」や「Woman.excite」といったスマホ向けサイト12サイトへ動画広告を配信するアドネットワーク「VIDEO TAP」。4月時点で、各サイトの合計・月間訪問者数は3000万人に上り、ほぼ女性。世代が20代~40代に集中しているといった特徴がある。
「ソーシャル上で話題のニュースをランキング形式で見るコンセプトにはニーズがあると考えている」(高松社長)。昨年11月に開催された広告テクノロジー業界の国際イベント「ad:tech New York」でのモニターテストで得た手応えから、今後は海外展開も視野に入れる。