文:糸永洋三
いきなりですが、グーグルの検索ボックスに、「〇〇(あなたのお名前)の明日の予定」と入れてみてください。検索結果は残念ながら……、自分の関心、趣味趣向にあった、的確な情報、的を射たスケジュール、イベントの情報があがってくるってことはない、です。
ユーザーそれぞれに向けた未来のスケジュール・イベント情報のレコメンドは現状の検索エンジンではできない。あたりまえっちゃあたりまえなお話かもしれませんが(笑)、パウロ・糸永は、自分にとっての的確なイベント情報が検索結果として表示されないグーグル画面を見ながら、ここに少しチャンスがあるのでは、と考えたのです。
無謀に果敢?にチャレンジし、新しいJUMPができないだろうか? と考え、動きだし、社内のコンテストに応募。そしていろいろと役員や幹部の方々に納得してらって……その結果、今、事業体としてのMedia JUMPがあります。
「あした、なにしよう?」といった誰もが思い浮かぶ自然な悩みを解決する。オフタイムの予定を考えるためのアシストできるツール、Webサービスをつくる。ちょっとした未来の予定、スケジュールに対して、ユーザーそれぞれの趣味趣向に合致したレコメンドサービスをつくりたい。こんな思いではじまったMedia JUMPは、すでに本コラムでも触れているようにサービス開発の佳境にいよいよ入ってきています。
我々自身、このサービスコンセプトが画期的で斬新なアイデア、目新しい新規事業計画である、とは考えていません。しかしながら、さまざまな情報にアクセスする回路、デバイス、メディアがどんどん増え続け、実際に情報量そのものが膨大に氾濫している現在に、「本当は行きたいと思っていたイベントがあったのに事前にそのことを知ることができなくて行けなかった……」という誰しもが一度は経験しているであろう、もったいない事態に、ビジネスチャンス、事業チャンスがあるのだ!と思っています。
自分が本当は知りたい、欲しい!と思っているイベント情報が、情報の洪水に埋もれてしまっていてみつからない、出会えない、そして気づかない、そしてイベントは終了してしまう。このイベントコンテンツ情報とユーザーとのマッチングをビジネスとしてどこまで追求できるか、Media JUMPではまさにそこにチャレンジしている、わけです。
ポータルビジネスを生み出したヤフー、検索ビジネスでIT業界の頂点に君臨するグーグル、日本を代表するSNSであるミクシィ、芸能人ブログで話題のアメーバ、これらのサービスはすべてフレッシュな情報も含めて、Webサイト上でうみだされた「過去」のログだったり編集・制作「済」コンテンツだったりUGCだったりします。そして、「現在」においてはツイッターの「なう」がまさに、「今」の情報をみんなでシェアし、繋がるという新しいメディア体験を提供しています。これらの過去から現在に向かっていくWebサービスのトレンドの中で、「(それほど遠くはない)未来」に次の新しいトレンドがある、と我々は考えます。
実際に我々にとっての類似・競合Webサービスも、我々が会社準備、設立、システム開発などの事業計画を推進しているこの数カ月間に、どんどん出てきています。ぶっちゃけ非常に焦りながら(笑)も、我々が考えていた新しい「未来」トレンドというベクトルが間違っていなかった、という実感もあって心境複雑です(笑)。類似・競合サービスと競争し、そして一緒になって新しいWebサービスカテゴリー、新しいマーケットをつくりたい、と思います。
我々Media JUMPは、食べログさんが「ランキングと口コミで探せるグルメサイト」としてレストランを検索できる「食探しのツール」であるように、「あした、なにしよう?」を解決するイベントコンテンツ情報のレコメンド配信サイト」としてリアルイベントを検索できる「オフタイム充実化のためのツール」を目指したい、と思っています。すなわち、我々が開発中のサービスは、食べログさんと同様に、「Webからリアルへの行動を喚起する」、いわば「リア充(笑)を目指すためのツール!」なのかもしれません。
社内ベンチャー奮闘記 ~新しい広告ビジネスを目指して バックナンバー
- 第7回 「時計の針」(6/7)
- 第6回 「Webサイトの右上って、誰のための一等地?」(5/31)
- 第5回 「どう、順調?←知るかっ(笑)!」(5/24)
- 第4回 「あったらいいな!」が起業のきっかけに(5/17)
- 第3回 パウロと糸永の“祭り”がいよいよ始まった(5/10)
- 第2回 広告会社が自ら「事業を構築する」というチャレンジ(4/26)
- 第1回 グループ内起業とMediaJUMPとパウロと糸永(4/19)