障害者と健常者の壁を、スポーツでぶっ壊す。

ライターとストローには、
ある共通点があります。
何だと思いますか?

実は両方とも、障害者が起点となって
発明されたのです。

(本原稿は視覚障害者の方も読んでいる為、「障がい者」ではなく「障害者」と記させていただきます。「障がい者」の場合音声読み上げソフトで「さわりがいしゃ」と読み上げられてしまうことがあるからです。ご了承下さい)

ライターの発明者は、
戦争で片腕を失った兵士だそうです。
彼にはひとつだけ悩みがありました。
タバコに火をつけられないことです。
そう。よくよく考えるとマッチは、
両手がないと火をつけられないんですね。
そこで、試行錯誤の末に生まれたのが、
「片手でもタバコに火をつけられるライター」
なんです。

ストローの発明者は、
生まれつき全身が動かない方だったそうです。
彼にも悩みがありました。
一人で飲み物を飲むことができないのです。
コップを口でくわえたとしても支える両手が動かないので、
飲む為には口を開く必要があり、
そうすると必然的にコップが落ちてしまいます。
そこで考えられたのが、
「手を使わないでも飲料が飲めるストロー」
でした。

障害者起点で考えられたこれらの製品は
今ではすべての人にとって便利なものになりました。
障害者目線は、発見の山です。宝の山です。

最近では「インクルーシブデザイン」といって、
商品やサービスを開発する初期段階に
障害者を戦略的に巻き込んで、
彼らの意見を積極的に取り入れる企業も増えてきました。
セブン銀行のATMが、有名です。
こちらは、様々な障害者の意見を吸い上げながら
ATM機器の開発・改良を行いました。
結果、おじいちゃんおばあちゃん、外国人旅行客も含め、
みんなが使いやすいATMが誕生しました。

僕は障害者のことを、
「課題ファウンダー」と呼んでいます。
なぜなら僕ら健常者(わかりやすいのでこう呼ばせて頂きます)が
気づかないような課題に彼らは気づくプロだからです。
その課題は本質的であり、
新たなブレイクスルーにつながることもあります。

ちなみにゆるスポーツも、
年齢や性別、運動神経に関わらず、
だれもが楽しめるスポーツを開発するために、
障害のある方を積極的に巻き込んでいます。

次ページ 「インクルーシブスポーツの開発。」に続く

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澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)
澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)

2004年電通入社。映画『ダークナイト・ライジングの』「伝説が、壮絶に、終わる。」等のコピーを手掛けながら、多岐に渡るビジネスをプロデュースしている。世界ゆるスポーツ協会代表。日本バブルサッカー協会理事長。スポリューションメンバー。義足女性のファッションショー「切断ヴィーナスショー」プロデューサー。視覚障がい者用のロボットを開発する「MAGIC STICK PROJECT」プロデューサー。日本ブラインドサッカー協会のコミュケーションプランナー。R25でマンガ「キメゾー」連載中。口説き文句研究家。著書「ダメ社員でもいいじゃない。」

澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)

2004年電通入社。映画『ダークナイト・ライジングの』「伝説が、壮絶に、終わる。」等のコピーを手掛けながら、多岐に渡るビジネスをプロデュースしている。世界ゆるスポーツ協会代表。日本バブルサッカー協会理事長。スポリューションメンバー。義足女性のファッションショー「切断ヴィーナスショー」プロデューサー。視覚障がい者用のロボットを開発する「MAGIC STICK PROJECT」プロデューサー。日本ブラインドサッカー協会のコミュケーションプランナー。R25でマンガ「キメゾー」連載中。口説き文句研究家。著書「ダメ社員でもいいじゃない。」

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