箱根の町がいま、一つになっている
箱根町では4月26日から、「今、箱根にできること」をテーマに、箱根の町から日本全体を元気にするプロジェクト「箱根温泉AIDプロジェクト」を推進している。
義援金つきの特別宿泊プランの提供や、箱根にある7つの美術館が連携して入館料優待やオリジナルの特典等を提供するキャンペーン「つながろうHEART MUSEUM」の実施など、箱根町の企業・団体が総出で温泉地を盛り上げようとする取り組みだ。
このプロジェクトにおいて7~8月の2ヶ月間、夏のキャンペーン「さあ、こころの避暑地へ。箱根夏まつり」が実施される。
「避暑」「節電」をテーマにした期間限定のスペシャル宿泊プランを販売したり、芦ノ湖遊覧船の船員を体験できる小学生向けのツアーを実施するほか、町全体では午前9時・午後5時の1日2回、打ち水に取り組むなど、さまざまな企画が予定されている。
6月末から7月末にかけて、都内ほか全3カ所で観光客向けキャラバンを実施。小田急線各駅や箱根町内の各所にポスターを掲出するなどして、キャンペーンの周知を図る。
3月11日の東日本大震災発生以降、社会を覆った自粛ムードは、被災地から遠く離れた箱根にも影響を及ぼしている。震災直後の1週間はほとんど観光客が見られない状況になり、5月の連休は例年通りの賑わいを見せたものの、それ以降は前年同時期と比べ、なかなか客数が伸びない状況だという。
温泉地・箱根の魅力を今一度訴求し、観光事業を活性化することで、日本全体の元気につなげたい。その思いが箱根町の観光事業者をつなぎ、プロジェクト発足に至った。
発足に際しては、ホームページなどの立ち上げやリリースの発信を行ったほか、箱根町町長の山口昇士氏と箱根町観光協会・箱根温泉旅館協同組合の両理事長の3人で、都内の大手旅行会社や新聞社を訪問し、箱根は、いつでも観光客を迎える準備があることを強くアピールした。
現在のプロジェクトメンバーは、箱根町観光協会、箱根温泉旅館協同組合小田原箱根商工会議所箱根支部、箱根プロモーションフォーラム小田急箱根ホールディングス株式会社、伊豆箱根鉄道株式会社、そして箱根町役場の7団体。
箱根温泉AID実行委員会担当者は、「ここまで多くの団体が力を合わせて、箱根を盛り上げようとする取り組みは初めて。今後、箱根町内でもプロジェクトの周知を図り、協力団体を増やしていきたい」と、今後の展望を語った。