導入における課題は「営業」ナレッジのなさにあり
——前回の記事よりも、さらに踏み込んで「マーケティングオートメーション」について聞いていきたいと思います。武田さんは、日本でマーケティングオートメーションの導入がうまくいかないケースが多い理由は、どこにあると考えていますか?
「営業」のことを深く知る人間が、導入に携われていないところにあると考えています。そもそも、マーケティング部門と営業部門の間に、意識の違いが存在します。マーケティングオートメーションの目下の目的は、マーケティング部門から営業部門に受注の可能性が高い「ホットリード」を渡すことにあります。
この図は、マーケティング-営業領域でみられる“よくある課題”を表しています。マーケティングオートメーション導入において、特に顕著な課題として浮き彫りになるのが「課題③」と「課題⑥」です。
まず課題③についてです。通常、「マーケティング領域」でリードの獲得(ジェネレーション)から育成(ナーチャリング)までを行い、「営業領域」でそのリードを案件化させ受注に結びつけていくのが一般的な流れです。
しかし、このシナリオをマーケティング側の視点だけで設計していまい、営業側から見たときにリードが「ホットリード」ではないケースがよく見受けられます。その結果、営業側からは「受注の可能性が高いリードが来ない」、マーケティング側からは「リードを渡しても営業が動かない」といった不満が溜まっていくのです。
この状況を回避するためには、受注につながるホットリードとは何かを定義し、そのリードを得るためのシナリオを設計するための「マーケティング」や「テクノロジー」の知識だけではなく、「営業」のことも深く理解した人材が必要になります。今、国内におけるマーケティングオートメーションの導入は、「営業」の知識が欠けたまま導入・設計が進んでしまい、結果として運用に乗らなかったり、成果につながらないことが起きています。
——マーケティングオートメーションの導入は、「マーケティング」と「テクノロジー」、そして「営業」のブリッジが成功の鍵ということでしょうか。
はい。特にBtoBビジネスを行う企業は、往々にして顧客獲得のための活動をこれまで人的な営業しかしておらず、マーケティングに力を入れてこなかったという悩みをよく耳にします。
例えば、今、私たちが支援しているある製造業の会社では、「営業担当者約50名に渡すリードを増やすためにマーケティングオートメーションのツールを活用したインバウンドマーケティングを行いたいが、そのノウハウがない」という悩みを持っていました。その会社は「いかに新規リードを増やしていくか」ばかりを考えていましたが、我々は「新規リードの創出よりも、今ある失注リードを宝の山に変えていきましょう」という提案をしました。
ダイヤモンドに例えれば、ダイヤの原石を1つでも多く発掘=新規リード獲得することばかりに注力するのではなく、今埋もれてしまっているダイヤの原石を研磨する=蓄積した見込み客を育成することに重きを置きましょう、ということです。
よくある失敗事例として、新規リードを獲得しようとリードジェネレーションの施策に踏み切ったものの、コンテンツ作成などがうまくいかず結局運用に乗らないことが挙げられます。
どんな会社にも「ダイヤの原石=失注したリード」はあるはずです。仮に営業マンが10人いて、1人あたり30件/月の新規訪問を繰り返し、そのうち10%受注できたと考えても、残り90%の270件は失注リードとして蓄積されていくのです。そうして営業マン個人の管理ファイルに埋もれていってしまう“ダイヤの原石”を研磨するところから着手します。まずはスモールスタートで成功体験を積んでいき、PDCAが回ってきた段階でようやく新規リードの創出に手をかけていくべきなのです。
今挙げた企業のように、これまであまりマーケティングに注力してこなかった企業には、まず我々がリードジェネレーションからナーチャリングの設計にまで入り、一緒に戦略を組み立てていきます。
業界内での位置付けや差別化のポイントを見極め、どのターゲットに対してどの商品を主力に、どんな角度からアプローチするのか、といったマーケターが考える領域をお客様と一緒に考えて、並走するのです。
こうしたシナリオのPDCAを一緒に3回くらい回させてもらうと、担当者の方もコツを掴み、自然と自走できるようになります。
——マーケティングオートメーションの導入においては、スモールスタートで成功体験を一緒につくることが重要なのですね。もう少し具体的なお話をお伺いしてもよろしいでしょうか。
営業の過程で、失注した案件のフォローを行うことで成果につながるケースをご紹介します。さきほど紹介した図でいうところの課題⑥を解決した事例です。
当社のお客様に、ERPのパッケージを販売している会社がありますが、ERPの更新のタイミングは5~10年くらいのため、一度アタックしても「まだ3年しか経ってなくて償却が終わっていない」といったことがよくあります。
「1年後のタイミングであれば、導入の可能性がある」と言われても、営業担当者はそこまでフォローできません。
こうしてその案件は失注案件としてどんどん溜まっていきます。1日にこのような案件が1件ずつあったとして、営業マンが20人いれば20件/日、1ヶ月経てば20件×20日で400件にも達します。この溜まっていく失注案件は誰も管理できていません。
ちゃんと約束通りに定期的に連絡を取り続ける営業マンもほとんどいないのが実情です。
そこで、マーケティングオートメーションを活用します。こうしたお客様を失注案件として、マーケティングオートメーションのシナリオに乗せていくのです。そのお客様のメールマガジンへの反応やWebサイト内での行動を全てモニタリングし、関心が高まった最適なタイミングで、ホットリードとして営業に再アタックを促すようにします。営業だけだと管理しきれない案件を、マーケティングオートメーションが自動で管理してくれます。
このような話をすると、「うちはSFAのような案件管理ツールを入れているから大丈夫」といった言葉をよくいただきますが、実情としてはツールに情報がまったく入力されていなかったり、入力されていたとしても、それを活用して失注案件の育成を実践できていることもありません。
「マーケティング領域」から「営業領域」までを幅広くカバーできるツールはほとんどなく、国内の市場に出ている多くのツールはこのどちらかのみに対応したものです。そのため、見込み客の獲得・育成から、失注案件の管理・育成までをトータルで行っていくためには、他ツールと連携をしなければなりません。
しかし、そのツールの連携もうまく運用に乗っていかないことが多いのが課題の1つです。導入に失敗してしまう会社の多くは、色々なツールが複雑に絡みあい、運用工数が増加したり、ツールコストが高騰するなどの問題を抱えてしまうのです。
「マーケティング領域」だけに閉じた、狭義のマーケティングオートメーションではなく、「営業領域」はもちろん、WEBサイトのアクセス解析などの領域まで一気通貫で管理できるツールを、我々は「マーケティングプラットフォーム」として捉え、「B→Dash」を開発しました。
「B→Dash」はもともと設計段階から、「マーケティング領域」と「営業領域」の連携を視野に入れており、どういったリードが最終的に受注につながったのか、同じプラットフォーム上で分析することができます。これにより、失注案件の育成の効率化はもちろん、従来のマーケティングオートメーションツールで課題視されていた、複数ツール導入による工数・コスト増加を解決することができました。
【問い合わせ先】
株式会社フロムスクラッチ
住所:東京都新宿区西新宿7丁目20番1号 住友不動産西新宿ビル17階
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B→Dashの詳細はこちら:https://mieruka-b-dash.com/about-ma/
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