講演者
- パナソニック コンシューマー マーケティング・ジャパン本部CRM推進部 部長 中村 愼一 氏
顧客データを活用した商品開発と認知促進
当社のオウンドメディア「CLUB Panasonic(以下、クラパナ)」は、2007年に誕生。現在、会員数790万人、月間アクセス数2.2億PVを誇り、企業サイトとしては最大規模として評価をいただいております。利用者の内訳は、PCから入会した会員は、7割が男性 で、40代以上の方が59%を占めています。
クラパナ設立の目的は、「販売に貢献する、新しい売りをつくりだす」ことです。そのための重要な活動が3つ。1つ目は、クラパナ登録ユーザーに対してのアンケート活用による商品力強化。2つ目が、コミュニケーションによる継続的環境づくり。3つ目が、全社のネット経由のお客さまのワンフェイス化で、現在国内のBtoCのお客さまIDは、ほぼクラパナIDに統一されています。
立ち上げ当初、クラパナの主な目的は「商品開発」でした。クラパナには“愛用者登録”というサービスがあり、これは、お客さまが当社の商品を購入された際、その品番や製造番号、購入日などを登録すると、商品に付随するプレゼントキャンペーンやアンケート情報が届くようなサービスなのですが、その顧客データを商品開発に活用しています。品番を特定して、実際に商品を使用しているお客さまに質問ができるので、信ぴょう性のあるリアルな声が返ってくるという訳です。そういう意味で、クラパナは商品開発になくてはならないデータベースとも言えます。
会員が100万人を超えた2008年ぐらいからは、「商品認知」を上げる活動を始めました。商品を認知していただくためには、まず商品を知っていただく必要があるので、クラパナから商品サイトへ顧客データを元にレコメンドをかけて誘導しています。例えば、当社のテレビの「ビエラ」では、購入したお客さまに“アップセル”で上位モデルを紹介するのはもちろんのこと、50インチ以上のビエラを持っているお客さまには、「リビングが広いはず」と仮定して、大型のマッサージチェアをレコメンドして“クロスセル”で商品購入を促すなどしています。
また、ビエラの商品サイトを見た会員を特定してビエラの特集のメルマガを送った際には、40%という非常に高いレスポンスが得られました。
今後、プライベートDMPやマーケティングオートメーションを駆使して、クラパナと商品サイトがデータを介して連携をする取り組みを深め、よりお客さまの心に刺さるリコメンドができるようにしたいと考えています。