カルビー「じゃがりこ」のファンサイトである「それいけ!じゃがり校」。架空の「学校」を舞台に、年に一度の入学試験に合格したファンが交流できるサイトだ。試験は「じゃがりこ」への愛をつづるミニ作文。開校以来、毎年約3000人の新入生が入学している。
生徒が取り組むのは期間限定商品の開発。入学直後から食べてみたい味のアイデア募集が始まる。2015年は1000を超える応募があり、学校側はアレルゲンなどの体への影響や魅力度をチェックして40案を選出。生徒の投票によって商品化する1案を決定した。
その試作品を500人の生徒に送付して、試食した感想を集めて味の改良を実施。味の決定と同時進行でパッケージやキャラクターも生徒からアイデアを募集し、投票で決定した。
生徒は「じゃがりこ」のファンであるため、リサーチでは質の高い回答が得られ、さらに外部のリサーチ会社を使わないため、調査コストも削減できている。生徒の“じゃがりこ愛”は商品開発に深く関わることで一層深まり、新商品が発売されれば率先して購入し、SNSなどで拡散してくれる。
「じゃがり校」は、商品開発からプロモーションまでを担ってくれるロイヤルユーザーの養成校と言え、一緒に開発した商品の売上は、毎年発売する新商品の中で1位を獲得している。
2015年は離脱者防止のための入学ガイダンスの実施や、OB・OGの参加範囲の拡大など、「じゃがり校」に関わる全員を囲い込む体制づくりを続けている。
松井淳氏
マーケティング本部素材スナック部 じゃがりこ課課長
こちらの記事は、2016年2月3日に発刊される「デジタルマーケティング年鑑2016」(宣伝会議・刊)より一部抜粋しました。事例をご覧になりたい方に向けた書籍です。
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