潜在顧客のニーズを喚起、森永製菓に学ぶ“メディア化”する楽天市場の使い方とは?

森永製菓は2016年3月と6月の2回にわたって、楽天のユーザーを対象にした粉末プロテイン「ウイダー マッスルフィットプロテイン」のキャンペーンを実施した。データを活かしたターゲティングや、ECサイトのメディアとしての活用など、様々な工夫を施した結果、プロテインを購入したことのない潜在層の需要喚起に成功。嗜好性が強く、購入層を限定するプロテインという商材をいかにプロモーションし、成果につなげたのか。企画を担当した森永製菓 商品企画担当の山嵜康平氏と楽天 アド事業部の針木俊氏、坪昌宏氏に話を聞いた。

ターゲティングの精度が決め手

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左から、針木俊氏(楽天)、山嵜康平氏(森永製菓)、坪昌宏氏(楽天)

——まずは、森永製菓が楽天でキャンペーンを実施した狙いから教えてください。

山嵜:はい、今回キャンペーンを実施した「ウイダー マッスルフィットプロテイン」の購入層は、スポーツや健康に対する関心度が比較的高い方であり、我々が提供している他の商品と比べても、ターゲットが限定される商品だと考えました。

そこで、広告をあまねく出稿するというよりも、ある程度プロテインに興味のある人をセグメントして効率的に展開したいと思っていました。楽天さんであれば、ユーザーの消費動向に基づいて精度の高いターゲティングができると聞き、キャンペーンを実施することにしたのです。

針木:森永製菓さんには、2年ほど前から「広告の費用対効果をきちんと“見える化”したい」という強いご要望をいただき、楽天ユーザーを対象にしたサンプリング企画などを行ってきました。その流れの中で、今回はターゲットユーザーに初期トライアルを促した後に、リピート購入につながるかどうかまでを一気通貫で細かく分析できる企画をご提案させていただいたのです。

——やみくもにリーチを広げるのではなく、ターゲティングの精度が肝だったのですね。具体的には、どのようなターゲットだったのでしょうか。

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第1弾キャンペーンのランディングページ

坪:3月の第1弾キャンペーンでは、ターゲットを「①競合などの他社製品を購入した人」「②スポーツやアウトドア用品を購入している人」の2つの層にセグメントしました。

「②スポーツやアウトドア用品を購入している人」に関しては、楽天市場の過去の併売傾向を分析し、プロテインを購入する可能性が高いと見込まれる「ジョギング・マラソン」「フィットネス・トレーニング」「陸上・トラック競技」に関する商材を購入している層をターゲットとしました。

山嵜:そうですね。我々は、プロテイン市場の中でもリーダーではなく、チャレンジャーという立場です。単純に広告を出したとしても、最終的に購入されるのは、競合メーカーの商品ということも想定されます。そうした中で、どういった層が我々の商品を購入する可能性が高いのか、細かく分析したいという狙いもありました。

――これらのターゲット層に対して、どのようなキャンペーンを実施したのでしょうか。

坪:楽天市場で「ウイダー マッスルフィットプロテイン」を扱っているいくつかの出店店舗で利用可能な1000円オフのクーポンを提供しました。ターゲティングメールやディスプレイ広告でランディングページに誘引し、クーポンを入手してもらい、そこから各店舗で商品を購入してもらうという流れです。

山嵜:このキャンペーンは当初の想定よりも好評で、想定していた500枚を大幅に上回り、1300枚もの利用につながりました。

さらにキャンペーン後の調査で、クーポン利用者のリピート購入にもつながっていたこともわかったんです。

――予想以上の成果だったわけですね。キャンペーンを通じての「発見」はありましたか?

針木:どのセグメントもクーポン利用率が高く、今回のターゲットは今後も注力していくべき層であることが分かりました。競合商材からの転換率も消費動向のデータから分析することができました。

さらに発見だったのは「②スポーツやアウトドア用品を購入している人」の利用率が高かったことでした。この層はこれまで楽天市場でプロテインを購入した経験がないユーザーなので、スポーツやアウトドアを日常的に楽しんでいてもプロテインは未経験、いわばプロテインのライト層である可能性が高い方たちです。つまり、新規層の取り込みができたということです。

山嵜:この結果にはかなり驚きました。プロテインは嗜好性が強い商材のため、「スポーツをしていても買わない人は買わない」と考えていたのです。

以前は、プロテインは美味しくない上に、使うと筋肉がムキムキになったり、太ったりしてしまう、という誤解がありました。それが徐々に、プロテインは飲みやすく、美容や健康にも効果的だというイメージが浸透しています。そうしたプロテイン利用者の裾野が広がっていることを実感できた結果でした。

次ページ 「成功から見えた次の一手」へ続く

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