年々、増え続ける訪日外国人。アジアからの観光客だけで、その国籍は15以上となると、一人ひとりの観光客を理解し、適切なプロモーションを行うのは難しいのが現状だ。
電通では8月にプロモーションの成果につながる、属性や動態の理解を支援する、訪日外国人の行動分析ソリューション「いいデータ(INBOUND INFOGRAPHIC DATA)」をリリース。このソリューションを企画・開発した電通の満居優(みついまさる)氏に話を聞いた。
訪日観光客の属性、どこまでわかっていますか?
日本を訪れる、外国人観光客が増えているのは周知の事実だが、その実態を把握した上でプロモーションを企画できている企業は少ないのではないか。「ついつい『訪日外国人』とひとくくりで捉えてしまいがちだが、私たちが海外を旅行する際の目的が多様にあるように、当然ながらそれぞれの人に目的も行動も異なる」と話すのは電通の満居優(みつい・まさる)氏だ。
様々な国からの観光客を対象にするインバウンドプロモーションでは、国別の行動の特徴などを把握し、ペルソナをつくることで、効率よく予算を組み、無駄のないプロモーションが行えるようになる。まずは「相手を知ること」が大切なのだ。
しかし多様な国籍、目的の観光客を理解しようとしても、一筋縄ではいかない。だからこそ多くの小売り・流通、販促の現場で受け身の対応になってしまっているのも事実だ。もっと容易に、訪日外国人を理解するための支援ができないだろうか…。そこで満居氏が中心となって企画・開発したのが、訪日外国人の属性と動態を分析するためのソリューション「いいデータ」(INBOUND INFOGRAPHIC DATA)である。
スマホへのプッシュ配信だけでは成果はあがらない
「『いいデータ』は、もともとは2015年に国と行った実証事業がきっかけで、前身となる仕組みはこの時に開発している。実証事業は訪日外国人が持つスマホを介して得られる位置情報に併せて、近隣の店舗などの情報を配信。その後のコンバージョン計測まで含めて検証するプロジェクトだった」(満居氏)。
この実証事業を進める中で、満居氏は一つの気づきを得ることになる。それは訪日外国人のスマホに情報を配信する仕組み以上に、その属性や動態を把握するためのサービスの方が、ニーズが高いのではないかということだ。
「自治体やDMO(Destination Management Organization)の方たちが、訪日外国人のペルソナ設定を行わないままプロモーション活動を行っている現状を見て、この課題を解決できるサービス設計にする必要があると感じた」という。
こうした訪日客向けプロモーションの現場での体験をもとに開発されたのが、「いいデータ」だ。
問い合わせ先
いいデータ運営委員会
サイトURL:https://iidata.jp/
メールアドレス:info@iidata.jp