AOI TYO Holdingsが始動「成長ドライバーは『体験型』と『海外』」

クリエイティブとプロデュースの事業体を目指す

AOI TYO Holdings代表取締役の吉田博昭氏(左/ティー・ワイ・オー会長)と中江康人氏(右/AOI Pro.代表取締役 社長執行役員)

AOI Pro.とティー・ワイ・オー(TYO)が1月4日付で設立した持株会社AOI TYO Holdingsの戦略説明会が昨年12月28日に開催され、新会社の代表取締役に就任する吉田博昭氏と中江康人氏らが今後の事業計画を発表した。

「TYOとAOI Pro.はライバルの時代もあったが、今はそんなことも言っておられない。メディアの変化により、CMが抜群に効いた時代は過ぎた。『一緒に強くなろう』と2社で話を進めて来た」と吉田代表取締役は経営統合に至った背景を説明した。

今後は「体験型」のクリエイティブに軸足を移す。「我々はメディアエージェンシーを目指さない。クリエイティブとプロデュースを主軸とした事業体として、スポンサーに最適な提案を行っていく」と中江代表取締役は話した。これまでのCM制作事業は徹底的に効率化し安定成長を目指す一方で、新たな領域である体験設計事業に積極投資を行い、そこから中国・東南アジアなど海外にすばやく展開していくという。

広告主との直取引を半数程度にまで引き上げ

2021年までをひとつの目途に、AOI Pro.では2割程度、TYOでは2.5割程度だった広告主企業との直取引の割合を、利益ベースで約半分にまで高めたい考え。広告会社との取引は今後も安定成長のため欠かせないが、広告主との直取引を大幅に増やしていきたいという。

経営統合による効果が早期に顕在化するのは、仕入れの共同化などによる経費削減、業務の標準化や人員配置の適正化などを通じた効率化と見込む。これらを通じ、利益率の向上だけではなく、昨今問題となっている労働環境の改善にも取り組んでいく。

新規の体験設計事業に関しては、デジタルマインドに富む人材(コミュニケーションデザイナー、データサイエンティスト等)の確保をM&Aも含めて視野に入れて進めていく。コンテンツ制作から効果測定・分析まで統合したソリューションを提供、将来的にはDMPを活用した戦略コンサルティングまで一貫した提供を目指す。


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