エイチ・アイ・エスが「公式インスタグラマー」を任命、女子旅ニーズに火をつける

エイチ・アイ・エスが運営する、旅する女子のためのInstagramアカウント「タビジョ」。旅の話題づくりやきっかけづくりの場を多くの生活者と⼀緒に創造したいという想いをSNS上で形にしたもので、アカウント上では、随時募集しているフォトジェニックな女子旅写真や動画を紹介してきた。

2016年3月末の開設以来、ハッシュタグ「#タビジョ」をつけて投稿された写真・動画は、すでに5万枚を超えたという。

これを機に、旅先の新たな魅力を開拓することを目的として、これまで「タビジョ」アカウントで写真・動画を紹介するなど、エイチ・アイ・エスの取り組みに積極的に参画してきた5人を、「タビジョ公式インスタグラマー」に任命した。

Instagramアカウント「タビジョ」で紹介されている写真の一例。

「タビジョ公式インスタグラマー」は、各国の観光局などと連携し、「タビジョ・レポーター」として各地に赴いて活動する。例えば、写真や動画をスライドショーのような形式で投稿できる「Instagramストーリー」を使用してライブ配信や動画レポートを行うほか、SNSで反響のある観光スポットを表示する「タビジョマップ」のスポットを拡充したり、エイチ・アイ・エスが運営するユーザー参加型のWebマガジン「Like the World」に旅のレポートを掲載する。「新たに開拓された旅先の魅力が、当社のメディア・SNSアカウントを通じて多くの方に伝播し、次の旅のきっかけが生まれるお手伝いができたらと考えています」とエイチ・アイ・エスの担当者は話す。

Instagramアカウント「タビジョ」やハッシュタグ「#タビジョ」の活用が、エイチ・アイ・エスにもたらした変化は大きい。SNS上のユーザー投稿から旅行トレンドを発見し、それをユーザーニーズに寄り添った商品開発へとつなげてきたほか、コミュニケーション活動においてはユーザーを巻き込んだコンテンツづくりを強化してきた。

「旅マガジン『Like the World』では、『タビジョ』アカウントで複数回写真を紹介させていただいた方にお声がけし、その方々のお気に入りのフォトスポットを紹介するコーナーを設けて展開しています。」(同)。

さらに、ユーザー行動を観察することで、サービス改善にもつなげている。
例えば、Instagram上の写真が旅行のきっかけになることは多いものの、Instagramのメディア特性(投稿には外部リンクを貼ることができない)により商品検討には至っていないという事実、「Google検索などとの同時進行が面倒」というユーザーニーズが発見された。

これに応えるべく、「画像で旅先を選ぶ→マップで位置を確認する→旅行商品を検討する」という一連の購買意思決定プロセスに合わせたシームレスな情報提供を実現する「タビジョマップ」をリリース。現在はハワイ・韓国・バリ島・オーストラリア版を提供しており、今後はラスベガス・タイ・メルボルンなどにも対応エリアを広げていく予定だ。

これまで、テレビCMをはじめとするマス広告も積極的に展開してきたエイチ・アイ・エスだが、今回のようなSNSを活用するコミュニケーションについてどのように捉えているのか。

「伝えたいことを伝えたいときには、引き続きマス広告を活用していく予定です。ただし、情報が溢れる時代、企業からの一方的な情報発信だけに頼るのではなく、生活者に積極的に関わっていただけるような、濃いコミュニケーションが発生する場を築き、その場で発生したコンテンツを生活者自身が熱を持って発信できるような施策が必要だと感じています。『タビジョ』は、それを目指しているんです」と担当者は話す。

今後は、「タビジョ」を通じて生まれたコンテンツを、Web広告などでも活用していく取り組みを推進していきたいとしている。


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