「好きで働いてるからほっといて!」社畜の“読モ”化について

『編集会議』最新号では、編集者・ライターの「働き方改革」を大特集。メディアにおける「働き方改革」は可能なのか――。多くの関係者が長時間労働を問題視する一方で、「プロ社畜」を自任するハードワーカーは、昨今の「働き方改革ブーム」をどのように見ているのか。会社や上司、あるいは取引先から“強要”されるのは問題視されるべきだとしても、自ら好んでハードワークをするのは、ある意味では多様な働き方の一つではないか。「AbemaTIMES」編集部の恩納力氏が本音をさらけ出す。

目の前に仕事があるからやる

社畜が“読モ”化していますね!最近は社畜というワードだけですぐバッシングされる風潮なので困ります。

社畜というと「会社に飼いならされている」というネガティブなイメージがあるので、「ハードワーカーズ」「エクスペンダブルズ」「ローグワン」という呼称にしましょう。横文字にした途端にカッコいい感じになるし、色々とオッケーになりそうじゃないですか!エバンジェリストとかアクティビストみたいな感じです。

私は現在、株式会社AbemaTVで「AbemaTIMES」というAbemaTVのオウンドメディアをやっていますが、息抜きとして「Abema HIPHOP TIMES」「Abema 格闘TIMES」というメディアを新たにやらせてもらっています。

会社からやらされているわけではなく、好きでやらせてもらっているだけです。仕事の息抜きを仕事でする「ワークワークバランス」ですね。楽しくてしょうがないですよ。

さて、私が社畜なのは、一人で稼いで生きていく能力がないからですね。フリーで食べていくスキルも勇気もありません。もちろんAMに学芸大前を散歩して芸大生を観察する余裕もありません。会社に属して、会社からお金をもらっている以上、「プロフェッショナル」ですから結果を出すべく働いています。

結果出さないと左遷、減俸、最悪クビになりますから。そうならないように日々頑張っています。

仕事があるだけ、ありがたい

私は10年以上、ネットメディア業界で働いているので、その世界しか詳しくはわかりませんが、他業界と比べて働いている時間は長いのかもしれません。

ネットメディア は24時間365日稼働していますし、平日は 夜22時以降、土日休日は特にPVが上がります。速報が差し込まれる時もありますし、上限なく何本も記事を配信できてしまいます。そういう世界ですから、文句を言ってもしょうがない。

映画『シン・ゴジラ』でも、ゴジラの凍結を目指す「矢口プラン」に向けて動いていた自衛隊の財前統合幕僚長(國村隼)が、「礼は入りません。仕事ですから」と名パンチラインを放っていたじゃないですか。理想のプロ社畜ですよね。

自衛隊はゴジラが来たら戦わなければいけません。理由なんてありません。私も目の前にやらなければならない仕事があるからやっているだけです。

ネットメディアは、良い意味でも悪い意味でもいろんな数字がリアルに出てきます。さまざまな評価指標がありますが、PVを背負っているのが一番多いケースだと思います。

いくら良い記事でも、PVがなければネットメディア編集者は評価されませんね。それはそれで色々な問題があるのですが、今はそうせざるを得ない。大きいプラットフォームの上で日々数字と悪戦苦闘している感じです。

……「会社内ではメディアはコストセンター」「ぶっちゃけ、好きでハードワークすることは放っておいてほしい」「リスペクトしているプロ社畜の方々」「そんな先輩方のグッとくるエピソード」など、続きは『編集会議』2017年春号「メディア×働き方改革」特集の「ハードワーカーの主張」をご覧ください。

「AbemaTIMES 」編集部
恩納 力 氏

内野手/右右/ニフティ、Aol他→AbemaTV(16)/率.270本8点50盗12/ゴールデングラブ(10~15)カムバック賞(13)最多犠打(14)/好きなタイプ・新垣結衣/好きな言葉「肩こりは幽霊のせい」/15年目のベテラン。肩の衰えからコンバートも。今季が正念場。

 

『編集会議』2017年春号は「記事論」「メディア×働き方」を総力特集
 

◇ヨッピーが語る「“編集”の価値とはなんぞや」
◇改めて知りたい「ネイティブ広告ハンドブック」
 

【特集】その記事は“売りモノ”になるか――記事で問われるメディアの真価
◇LINE 田端信太郎が語るメディア論――『MEDIA MAKERS』から5年後
◇フローレンス駒崎弘樹「その記事に“意志”はあるか」――記事が社会を動かす
◇『anan』『週刊東洋経済』『SWITCH』『dancyu』編集長「私のベスト企画」
◇noteではどんな記事が売れているのか――“売れる記事”のトレンドを探る
◇『クーリエ・ジャポン』編集者が語る「米国メディア・ビジネスの最前線」
◇発行累計6000万部の編集者が解説「面白い→売れる」に転換する編集術
 

【特集】編集者・ライターの「働き方改革」――メディア現場の「生産性」
◇「ユニクロ潜入一年」ジャーナリストに聞く「メディア人の働き方改革」
◇100人に独自調査、編集者・ライターの「働き方」と「生産性」の課題
◇“午後6時に帰る編集部”、古田大輔編集長「BuzzFeed流・働き方改革」
◇「もしフリーになったら…」を考える、フリーランスになるための下準備
◇超実践・生産性向上術「アイデア」「書くスピード」「ガジェット」編

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ