ポッキーをプログラミング教材に変えるアプリをグリコが開発した理由とは?

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昨年8月、江崎グリコはお菓子で学べる無料アプリのプログラミング教材「GLICODE®」(以下 グリコード)を開発した。一見、関連性の薄いお菓子と教育アプリをなぜ結びつけようと考えたのか。開発の理由とは。

ポッキーやビスコがプログラムコードになる!?

「グリコード」は、江崎グリコが始めた、お菓子で学べる無料アプリのプログラミング教材だ。「ビスコ」「ポッキーチョコレート」「アーモンドピーク」の3種類のお菓子をプログラミングにおけるコードとして並べ、カメラモードで読み込むことでプログラムが実行される。例えばポッキーを右向きに並べて撮影すると、アプリ内のキャラクター「ハグハグ」が右に動き、上向きに並べれば上に動く。ステージが進めば、「繰り返し(ループ)」や「場合分け(IF)」のような高度な命令もできる。子どもたちがお菓子を食べながら楽しくプログラミングを学べるようになっている。

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開発は、江崎グリコと電通の2社が中心となって進めた。そのきっかけについて、江崎グリコ クリエイティブチーム 兼 アシスタントグローバルブランドマネージャーの玉井博久さんは「商品は何も変わらなくても、広告一つで商品を生活者にとって新しい価値のある存在にすることができる。それが広告のなすべきことだと考えてきました。それと同じように、デジタルテクノロジーを使って商品に新しい価値を生み出せないかと今回は考えました」と話す。Uber、Airbnb、Netflixなどが既存の業界構造を変革するのを見る中で、「グリコとしても、デジタルテクノロジーを活用して何かできないか」と考えていたという。

相談を受けた電通では、「食べ物(お菓子)が人にできるよいことは何か?」から考えていったという。そして「お菓子を食べることは栄養を摂るためだけではなく、メンタルにもよい働きかけができるのではないかという部分に着目した」と電通CDCの小池宏史さんは振り返る。その上で、「デジタルを使ってお菓子価値を拡張する」ことを念頭に企画を進めた。

グリコードは現代版「グリコのおもちゃ」

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お菓子メーカーであるグリコとプログラミング教材の組み合わせに「なぜ?」と不思議に思う人も多いだろう。しかし、ここには創業者である江崎利一氏の考えが深く関係している。同社は創業時から「食べることと遊ぶことは子どもの二大天職である」という考えに基づき、これまでグリコのおもちゃというかたちで、知育につながるおもちゃがついたキャラメルなどを提供してきた。

実は、「グリコード」もその延長線上にあり、「食べることと遊ぶこと(学ぶこと)を提供する」アプリを活用したブランドのコミュニケーションとなっている。学ぶことを高度な“遊び”と捉え、グリコのお菓子という変わらぬ価値に、アプリを通じて学びながら楽しく食べるという付加価値を生み出した。

そして、数ある学びの中でプログラミングを選択した理由にも、創業者の考えが関連している。それは「奉仕一貫、事業は社会奉仕である」というものだ。「商品の価値を高めることに加えて、何か社会課題の解決に寄与したいという思いがあった」と玉井さんは振り返る。そこで、先進国の中で日本が普及に苦戦し、世界に遅れを取っている”プログラミング“に注目した。「お菓子でプログラミングできたら面白い」という発想で、小学校低学年の子供たちに、遊びのようにプログラミングのエッセンスを体験してもらう。主体的に楽しみながらプログラミングに触れる機会を提供しようと考えた。

とはいえ、はじめのうちは社内で理解してもらうことは難しかった。玉井さんは「自分自身がこの企画は絶対にいいと信じていた。そのことが社内承認を得る際の支えとなった」と語り、およそ3カ月かけて地道に社内説得を行った。

…ではどのように、今回のプログラミング教材アプリを実現したのか。続きは本誌をご覧ください。

※本記事は『ブレーン』6月号に掲載されている記事の一部を編集したものです。

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◇特集
デジタルが創る新しいブランド体験

  • グリコ「GLICODE®」
  • オカモト「男女の本音VR」
  • ニコニコ超会議「超歌舞伎」
  • VRは広告コミュニケーションをどう変える?
  • SXSW2017 注目テクノロジー・ビジネスモデル6選
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  • Dentsu Lab Tokyo
  • バスキュール「データテインメント」

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