放射能の恐怖が、身近に感じられる今こそ、核兵器廃絶に向けて一歩進めるタイミング――。
8月6日、原爆投下日に被爆者やアーティストらがメッセージを発信する「Peace Hiroshima 8・6 Church 2011」(主催:ピースヒロシマ実行委員会)が開催される。2005年に開始し、今年で7年目を迎える同プロジェクトは、核兵器廃絶・平和継承を通じて「戦争のない世界」を実現させることを目的に、被爆者からのメッセージや、音楽、ポエトリーリーディングなどを通じ、平和について考える機会を広く提供するもの。今年は6日17時50分より、東京・神田の救世軍本営山室軍平記念ホールで開催する。
05年の活動立ち上げ時から中心となってイベントを実施するindependent tokyoの木戸寛行氏は、「このプロジェクトを始めた理由は、被爆二世の親友との約束だった。自分の職能においてできること、クリエイティブ・ディレクションとコピーライティング、そして、一緒に平和の旅をしてくれるクリエイター仲間に声をかけてキャスティングをしてチームを編成しようと考えた」とこれまでの経緯を話す。
ポスターやテレビCM、Webなどを制作物を展開した期間を経て、08年よりアーティストの声を通じてメッセージを伝えるピースイベント形式に転換。日本ではまだ一般的に浸透していないポエトリーリーディングなどの要素も積極的に取り組み、参加者同士のコミュニケーションを創出する実験の場としても取り組んでいる。
今年の総合司会は、ポエトリーリーディング活動で知られるロバート・ハリス氏が務める。また収益の一部は、広島市にある被爆者特別老人ホームと救世軍を通じて福島県被災地へ寄付されるという。