マーケ女子が“キュンとくる”広告会社営業って?

「(ぎりぎり)20代マーケ女子のひとりごと」と銘打って昨年夏にスタートしたこのコラム。な、なんと、第1回のコラムを更新してから1年もの歳月が経過。気づけばわたしも1つ歳を重ね、“(ぎりぎり)20代”から“(正真正銘)30代”マーケ女子になっていました(女子とは言わせて)。

年に1回という、あの・・・、かのコピー年鑑と同じ頻度でお送りしておりますこのコラム(どや)。「光陰矢のごとし」とはこのことですね・・・。

あらためましてこんにちは、キリンビバレッジの二宮倫子です。このコラムはマーケティング部門で働くわたしが、「商品」や「広告」といった「モノづくり」を通して気づいたことや感じたことを、背伸びしない素直な視点でマイペースに綴っております。

とはいえ年次的にはそろそろ中堅に差し掛かり、若干言い訳が苦しくなってきましたが、まだまだ発展途上の身ゆえ、マーケティングを論じたりはしませんので悪しからず。

第1回の記事に想像以上の反響をいただいた手前、今後どういったテーマで記事を書いていこうか躊躇していたのも事実。そんななか、こんなお声をいただきました。

「メーカーで働くマーケ女子から広告会社の社員がどう見えているのか気になる」

(3秒ののち・・・)
「マーケ女子がキュンとくる広告会社営業」
「マーケ女子がキュンとくるクリエイティブディレクター」
「マーケ女子がキュンとくるCMプランナー」
「マーケ女子がキュンとくる●●監督」
「マーケ女子が(以下略)」

・・・うん、いい。すごくいい。汎用性が素晴らしい。もうこの先数回分のテーマまで決定(途中で気が変わる可能性大)。

そのなかでもアドタイ読者の方に多そうな「広告会社営業」について、今回は考えたいと思います(量より質の時代、とはいうものの、やっぱり量も大事ですよね!!)。

メーカーのマーケティング部門、と一口で言っても、企業によって広告会社との関わり方や、提案を依頼する範囲は大きく異なります。

キリンビバレッジの場合は、基本的に“AE制(=アカウントエグゼクティブ制。基本的に1ブランドにまつわる業務を1つの広告会社が一貫して担当)”を導入しています。広告会社とはブランドの戦略立案にはじまり、商品開発、広告制作、メディアのプランニングからバイイングまで、あらゆるプロジェクトを長期的なスパンで同じチームとして深く関わり、ともに進めています。

そんな環境のため、わたしにとっては、もしかしたら1日のなかで最もやりとりする相手は、社内の先輩でも上司でもなく「広告会社営業」の方かもしれません。ですから、「パートナー」であり「同じ釜の飯を食べているチームの仲間」という意識が非常に強く、困ったときの1番の相談相手でもあります。

そんな広告会社営業のなかで、マーケ女子が「キュン」とするのってどんな方なのでしょうか。周囲の社内外の女性先輩たちにもインタビューをしながら、いくつか考察してみました。

1.違う、と思ったことはハッキリ「NO」と言ってくれる広告会社営業

プロジェクトを任されていると、一人で抱える範疇が多いだけについ悶々としてしまうことがあり、社外の冷静な意見が欲しいと思うことも。マーケ女子は基本、普段は強く意見を言ったり主張したりすることが必要なシーンも多く、ついつい気も強くなりがち。社内では基本的に気高く生きているため、「分け隔てなく、本音で厳しいことを言ってくれる誰か」の不意な優しさには心底キュンとしてしまうのではないでしょうか。

2.打ち合わせが行き詰った時に、重いムードを明るいコメントで打破できる広告会社営業

張りつめる空気のなか、絶妙な間で投入される「捨て身ボケ」に救われたマーケ女子は数知れずいるに違いありません・・・。一旦脳が柔らかくなることで、解決の糸口が見つかったりすることも多いものです。議論が間延びした時に、“この話そろそろ切って”のアイコンタクトが通じるとキュンとくる、という意見もありました。

3.世の中に新しい「ワクワク」を起こそうといっしょに企んでくれる広告会社営業

目の前には解決しなければならない課題や問題が山積み、ということは日常茶飯事。それでも明るい未来に向かってワクワクできるビジョンを一緒に見られる広告会社営業の方に出会うと、キュンとしてしまいます。それを達成するために、どうやって社内を説得しようとか、クリエイティブ陣を口説こうとか、企画の実現に向けて“共闘”するのは、この仕事の醍醐味のひとつと言えます。

4.たまにしてしまう不本意かもしれないお願いを、(突然「ゴロニャン」という態度でやってきたなコイツ、と薄々気づきながらも)受け止めてくれる広告会社営業

クライアントとクリエイティブ陣の間に挟まれ、調整するのが大変だな・・・と心底思っていても、いきなりはNOとは言わず、一旦はこちら側の立場に立って調整を試みてくれる姿にはキュンとしてしまいます。もちろん、日頃のコミュニケーションや信頼関係にもよりますし、不本意なことをすべて受け止めてほしい、という意味ではないのですが、こちらの状況を一旦理解してくださる姿勢にマーケ女子も励まされるところが大きいのかもしれません。

5.(厳しい戦のあとの)さわやかな笑顔

最後はなんだかんだで、やっぱり人と人。「あ~この人と仕事できてよかったな」と思えることに越したことはないです。戦は辛くとも、最後は手を合わせて喜べる関係でいたいですよね。

わたしはある時から「この人の仕事が上手くいくために、仕事をがんばろう」と思える広告会社営業の方を見つけることにしています。自分のためだけに頑張るよりもずっと健全な原動力になる気がするからです。

ちなみに“さわやかな笑顔”の相手が男性だった場合、イケメン営業マンがいいのか、それとも憎めないキャラクターの持ち主がいいのか、論争はマーケ女子内でも意見が割れるところでした(笑)。決してタフであってくれ、ということではないのですが、仲間意識が強い分、広告会社営業の前向きな姿勢に、マーケ女子たちが励まされキュンときているのは事実です。

今回は、敢えて、「よそいき」ではない意見が聞きたくて、プライベートでも親しくしている先輩たちに聞いてみました。これだけ、メーカー側の立場から一方的につらつらと書いてしまったので、普段とてもお世話になっている広告会社営業の方々にも逆の立場からの意見をいただいてみました。

「広告会社営業が“キュンとくる”マーケ女子って?」

・社内の事情まで伝えてくれた上で、一緒に作戦を練れるマーケ女子
(パートナーになりたいという部分は両思いなのですね!ただ、ここでどこまで伝えて相手を巻き込むかは、マーケ女子のテクニックが問われる部分ではあります)

・アメとムチを上手に使いこなすマーケ女子
(広告会社営業の方のM気質を刺激しながらも、ときに「ありがとうございます」のあとに「♡」が見えちゃうくらいの優しさを使いこなしてほしい、という意見でした。すみません、いつも当たりが強くて・・・笑)

・モノづくりを担うメーカーの人間としてオーナシップを持っていて、きちんと方針を示せるマーケ女子
(これは、マーケ女子に関わらず、メーカーの人間としてあるべき姿へのご意見ですよね・・・!AE制に甘え、ついつい頼りすぎてしまっている場面もあるかも、と背筋がピンとなりました)

マーケ女子と広告会社営業。両者の意見を聞くと、近しい場所で働く者同士、考えていることは表裏一体であると改めて気づかされました。

「パートナー」と一言で片づけてしまうと、なんともキレイ事のように聞こえますが、やはり我々メーカーと広告会社は立場も違えば利害が発生する関係。いくら信頼をしていても駆け引きが必要になる部分はあります。

ただ、いつも拘るべきはお互いに「良いアウトプットを出す」ことだけであり、そのために相手にどれだけの事情や情報を共有するか、相手のモチベーションを上げられるかを計算しながら動くことが、現場のマーケ担当者には求められているように感じます。

だからこそ、できた商品や広告が世の中を動かせたと感じたときは喜びもひとしお。自分が企画に関わったものを、どうしても平常心で見られないのは、きっとこの業界に関わる人みんなに共通しているのではないでしょうか・・・?どんな商品や広告にもきっと、そんなメーカー社員と広告会社社員が舞台裏で繰り広げるストーリーがつまっているんだな、と思うとにやにやが止まらないのでした。

(次回は1年後の2018年7月更新、とはならないように・・・がんばります!)

二宮 倫子(キリンビバレッジ)
二宮 倫子(キリンビバレッジ)

1986年生まれ、神戸市出身。関西大学総合情報学部卒業。2010年にキリンビバレッジ入社。3年間の営業経験の後、マーケティング部へ異動。「ファイア」の商品担当、「午後の紅茶」「Volvic」「世界のKitchenから」の広告制作を担当したのち、現在は「午後の紅茶」ブランドの商品開発や広告制作などを手掛ける。趣味は、ふらりと海外に出かけること、美味しいコーヒーとお酒を飲むこと。いつ何時も取り乱さない、「ゆるふわ系女子」でありたいと常々願っている。家族のうさぎと戯れるのが日課。

二宮 倫子(キリンビバレッジ)

1986年生まれ、神戸市出身。関西大学総合情報学部卒業。2010年にキリンビバレッジ入社。3年間の営業経験の後、マーケティング部へ異動。「ファイア」の商品担当、「午後の紅茶」「Volvic」「世界のKitchenから」の広告制作を担当したのち、現在は「午後の紅茶」ブランドの商品開発や広告制作などを手掛ける。趣味は、ふらりと海外に出かけること、美味しいコーヒーとお酒を飲むこと。いつ何時も取り乱さない、「ゆるふわ系女子」でありたいと常々願っている。家族のうさぎと戯れるのが日課。

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