データは囲い込みから共創へ — Criteoが掲げる、データ活用のオープンプラットフォーム構想

ひとりの消費者を、最大で15名の別のユーザーと認識

急激にモバイルが普及した影響もあって、ユーザーのタッチポイントはデスクトップPCのブラウザだけでなく、スマートフォンのブラウザ、モバイルアプリ、ソーシャルなど多様に広がっている。CriteoのAlexander Kibets氏(以下 アレックス氏)は「ひとりの消費者が最大で15名の別のユーザーと認識されている」と指摘する。

デバイス、ブラウザごとに別々のCookieが付与されてしまうことが原因だが、アレックス氏は「CookieはWebサイト訪問者を識別する仕組みであり、長らく、ターゲティング広告を配信するための手段として使われてきた技術。クロスデバイス時代に突入した今、それに対応してCookieも進化する必要がある」と続ける。

【図1】

「クロス“デバイス”への対応だけでは不十分でクロス“ブラウザ”への対応も必要とされている。PCとスマートフォンだけでなくFacebookなどの各SNSを介した、ブラウザへのアクセスは別ユーザーとして認識されてしまう」(アレックス氏)。

過半数のユーザーが購入までに複数デバイスを利用する

パフォーマンス広告における、リーディングカンパニーであるCriteoでは近年、複数のタッチポイントをまたぎ、デバイス単位ではなくユーザー単位でのメッセージ発信の重要性を指摘。クロスデバイス対応に力を入れてきた。

“ガラケー”時代から、モバイルでの購買行動が浸透していた日本は「小売業界のEC取引に占めるモバイルの割合」が世界で2番目に高いという調査結果も出ている。実際、Criteoの調査によればオンライン取引全体の過半数は、最初のWebサイト訪問から購入に至るまでに複数のデバイスが利用されていることが分かったという(【図2】参照)。

【図2】

出展:Criteo「2016年下半期クロスデバイスコマースレポート」

こうした状況に対して、アレックス氏は「すでにユーザーは複数のデバイスを使い分けており、すべてのデバイスでシームレスな購買体験を期待している。クロスデバイス対応は広告の投資効果を高めるために必要なだけでなく、対応をしないことがブランド毀損やユーザーの離反にもつながりかねない」とその重要性について話す。

Criteoでは、この課題に対応するため、グローバルで多様な企業が参画できる「オープンプラットフォーム戦略」を提唱。複数のデバイスをまたぎ、ユーザーを一致して認識すること可能にする、独自のクロスデバイス技術(Universal Match)を世界90カ国以上の企業に提供してきた。

Criteo
Alexander Kibets氏

次ページ 「2割弱にとどまる、日本のマーケターの対応」へ続く


「デジタルマーケティングとクロスデバイスの現状について」http://www.criteo.com/jp/resources/japan-state-of-cross-device-report-2017/

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