エビ中が実証!初心者こそ、コピーライティングで「K点超え」を狙える

応募締切まで1カ月を切った、第55回「宣伝会議賞」。もうアイデアを出し切った方という方はもちろん、これから取り組み始める方もいらっしゃると思います。そこで今回は、「コピーを書くのは初めてで、何からやっていいのかわからない」「どうしたら、いいコピーが書けるのか知りたい」という、“宣伝会議賞ビギナー”の方に、ぜひ役立てていただきたいヒントをお届けします。
「中高生部門」審査員長の渡辺潤平さんと、特別審査員の私立恵比寿中学(エビ中)・小林歌穂さんに、「いいコピーとは?」「いいコピーを書くにはどうしたらいい?」といったことをテーマに語り合っていただきました。

左)渡辺潤平さん
右)私立恵比寿中学(エビ中) 小林歌穂さん

甘やかされて育った人に、いいコピーは書けない!?

—小林さんは、エビ中メンバーの中でも「言葉」や「広告」、「表現」といったことに興味があったり、得意だったりするのでしょうか。

渡辺:表現のセンスは抜きん出ていますね。独特の世界観を持っています。昨年と今年、「コピーの授業」(※注)に参加した4人のメンバーの中から一人、特別審査員を務めてもらおうという話になったとき、僕とマネージャーさんの間で「ぽーちゃん(小林さん)がいいんじゃないか」と、意見が一致しました。成長の過程で、頭の中の地図がとても伸びやかに広がってきた、そんな感じがします。子どもの頃は、何をして遊んでいたの?

※注:「コピーの授業」
渡辺さんが講師となり、エビ中メンバー4人(安本彩花さん、柏木ひなたさん、小林歌穂さん、中山莉子さん)が、広告コピーの基本を学んだり、実際にコピーを書いたりした特別授業。
渡辺潤平×エビ中 コピーの授業 1年目(2016年)
渡辺潤平×エビ中 コピーの授業 2年目(2017年)

小林歌穂さん

小林:一人で工作したり、絵を描いたりしていました。大きめの段ボールをガムテープで貼り合わせて「家」をつくって、その中に入ってゲームで遊んだりすることも。とにかく、いろいろなものをつくり続けていましたね(笑)。

渡辺:一人で黙々と。

小林:完成したものを家に置いておけるのは一週間だけで、それを過ぎるとお母さんに捨てられちゃうんです(笑)。つくっては捨てられ、つくっては捨てられ……を繰り返していました。

渡辺:子どもの頃、実社会に上手く馴染めていなかったんじゃないかな(笑)。というのも、僕もそうだったんです。3人兄弟の真ん中なんだけど、長男と三男の仲が良くて、僕は2人からいじめられていた(笑)。だから家に居たくなくて、家の裏にあった山の穴倉に自分の部屋をつくり、そこで絵を描いたり、レゴブロックで遊んだりしていたんです。それが今の仕事に役立っているかは分からないけれど、「自分の居場所を自分でつくる」という志向は、僕とぽーちゃんの共通点かもしれないなと思いました。

小林:私も3人兄弟の真ん中です!真ん中って、たぶん、ちょうどよく放っておかれるんですよね(笑)。

渡辺:でも、そんな環境も相まって、ちょっと“屈折して”育つことも、実は大事なんじゃないかと思っていて。持論ですが、甘やかされて育った人に、いいコピーは書けないと思うんですよ。逆境に負けずに、自分の居場所やルールを自分でつくる。そういう生き方が、「何かを発信する、表現する」仕事をする上で、役立っていることがあるような気がします。

次ページ 「研究しすぎると「K点」を超えられない」へ続く

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