フォロワー数=発信力ではない。HKT48からインフルエンサーに転身した「ゆうこす」のSNS論

【前回の記事】「「モテクリエイター」誕生の裏に人知れぬ苦労あり。ゆうこすと椎木里佳が語るSNSのリアル」はこちら

自身が主催するイベントは即完売。著書は予約時点でAmazon1位になるなど、今一番10代・20代の女の子たちの心を掴んでいる菅本裕子さん(以下ゆうこす)。前編では、HKT48から、いまや総フォロワー数80万人を超えるインフルエンサーになったゆうこすさんが実践してるSNSの使い分けや「モテクリエイター」誕生の話を伺いました。

後編では、マスメディアとSNSについて、そして自己プロデュースについて椎木里佳が聞きました。
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効果的なPRには、インフルエンサーへの“丸投げ”が大事?

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椎木里佳(以下、椎木):SNSでマルチに発信されているゆうこすさんですが、テレビのようなマスメディアについてはどう考えてますか?

菅本裕子(以下、ゆうこす):視聴率の低下などが叫ばれてはいますが、やっぱり今でも、多くの人が見ているのは事実。でも私は、無理してテレビに出たいという思いはあまりなくて、自分に合っているものしか出ていません。

テレビはディレクターやプロデューサー、編集の方次第で発言の捉えられ方も変わってしまうと考えています。それによっては、私の発信している「モテたい!」という気持ちも、間違って伝わってしまうことがありえます。

テレビは、確かに多くの人に発信できるという点では優れていると思います。でも、SNSは自分の好きなように発信できる。私は多くの人に知ってもらいたいわけではなく、一人のファンにより好きになってもらいたいので、SNSを活用しているんです。

椎木:そうですよね。最近は芸能人の方もSNSだけでなく、クラウドファンディングをしたり、ライブ配信をはじめたりと自由に自分の意見を発信できるようになってきましたよね。もちろんテレビなどのマスメディアの影響力は絶大ですが、マスとSNSを相互に発信していくことがこれから大切になってくると思います。

SNSでも、PR案件などはクライアントありきの投稿になるので微妙に話が変わってくるかと思うのですが、そういった場合はどうでしょう? しばりが多かったりしますか?

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ゆうこす:PR案件だとしても、お金を目的とせずに自分の好きなものを選んでいきたいと考えています。実際、私が引き受けているものに関しては、しばりなどは少なく比較的自由にやらせていただいています。

最近は「PR」や「提供」が若い女の子たちから嫌がられている傾向があると思いますが、それは単純に「PR」とか「提供」だから嫌がられているわけではないんじゃないでしょうか。インフルエンサー自身の言葉で発信された投稿が見たくてフォローしているのに、ただ商品のPRをしているだけの投稿が流れてきたときに、冷めちゃうというか、嫌がられるのかなと思います。

椎木:ゆうこすさんの投稿を見てると、PR案件もいいね数がすごいんですよね。PR案件だといいねが下がるインフルエンサーもいるのですが、ゆうこすさんの場合はPR商材についてのコメントがついたり、コミュニケーションが成り立っている。

反対にゆうこすさんが思う、インフルエンサー施策を実施する企業側が気をつけるべきコツはありますか?

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ゆうこす:企業側もターゲットをちゃんと絞って、商材と相性の良いフォロワーを抱えているインフルエンサーを選ぶことが大切だと思います。

例えば、私のフォロワーは若い女性が多いのですが、ベビーカーやオフィス用品などターゲットが異なる商品をPRしてもダメです。写真に対してのいいね!はつくかもしれないですが、ターゲット層にはリーチできないと思います。

そういったミスマッチは、インフルエンサーにもフォロワーにも企業にとっても幸せじゃないと思うので、わたしは自分が本当にいいと思うものだけをPRしたいと思ってます。

あとは、選んだインフルエンサーを信じて任せることも大切です。丸投げというと聞こえは悪いけれど、投稿の内容はその子たちなりのノウハウが絶対あると思うし、自分のフォロワーに刺さる投稿は、自分が一番よくわかっていると思うので。だからこそ、インフルエンサー側は自分のフォロワー層のキャラクターを理解しておく必要性があるんです。

SNSは夢を叶える場所。自分で自分をプロデュースする、発信力の育て方

椎木:今後、SNSでのPRというものはどうなっていくと思いますか?

ゆうこす:インフルエンサーにとってPRというのは、主な収入源であるのは事実です。でも、もっと自分のアカウントやフォロワーが自分に求めていることをしっかり自己分析していかないと、誰も幸せにならない。

ちょっと前までは、ランダムに1万人くらいのフォロワーがいるインフルエンサーに、むやみやたらにPR案件を振る企業も多かったですが、最近はきちんとリーチ数や投稿の質を見極めてくださる企業が増えています。

これからそういった動きはどんどん進んでいくと思うので、インフルエンサーにとっては、そこが生き残れるかどうかの分かれ道ではないでしょうか。

椎木:そういう意味では、ゆうこすさんはSNSを始めるたびに、はじめからどんな層をターゲットとするか決めているなど、徹底的に自己分析・自己PRを行っていますよね。

個人的には、ゆうこすさんの最大の武器は、女の子を惹きつける強い「共感力」だと思っていて。ゆうこすさんくらい可愛くて有名だとどうしても遠い存在になりがち。でもそうではなくて、ダイエットの話題やモテの話題など、普通の女の子の目線で発信してるからすごく親近感が湧きます。

実際に私が運営しているJK女子会(※女子高生のオフ会イベント)にゆうこすさんにゲスト出張してもらったときも、女子高生の子たちは「ゆうこす」と親しみを込めて呼び捨てで呼んでました。

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ゆうこす:私自身も画面越しで見るタレントさんやインフルエンサーには距離を感じちゃうし、カワイイって思うだけで「遠い存在だな…」て思っちゃうんですよね(笑)。

というのもあって、発信するときに「みんな〜!」と声かけをするのを意識しています。学校や部活とかの仲間うちって、そうやって声かけしたりしますよね。ああいったイメージで、同じコミュニティにいることを感じてもらえるかなって。

あとはTwitterのDM(個別にメッセージを送れる機能)を解放したり、インスタのコメントを返信したり、LINELIVEの飲みながらの生配信など、ファンとの距離を作らないことを常に意識しています。

椎木:LINE LIVEで渋谷の街頭に立って配信したときはびっくりしました!あと、LINEアカウントをファンに教える企画とか、他の誰もやっていないことにどんどん挑戦していくので、見ていて本当にドキドキします(笑)。

逆に、距離が近くなったからこそ大変だったことはないのですか?ストーカーとかアンチとか・・・。

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ゆうこすさんのLINE LIVEの配信内容

ゆうこす:それが全然ないんです。純粋に私の投稿が好きでフォローしてくれている子たちばかりなので、強いコミュニティができあがっている。だからアンチができにくいんだと思います。

例えば、コミュニティ内に私に対して言いがかりをつけるようなアンチがいたとしても、私も反応しないですし、ファンの子たちも「なんか変な人きた…」という感じで反応しないんじゃないかな。本当に、私はフォロワーのみんなのおかげでここまで来られたと思うので、その人たちのために発信しています。そういう積み重ねもあるのかな、と思っています。

椎木:最後に、今後やってみたいことは何かありますか?

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ゆうこす:アイドル時代とは違い、現在の私のフォロワーの多くは「紆余曲折ありながらも、現在好きなことをやれている」というストーリーが好きだと言ってくれる人が多い。『SNSで夢を叶える(ニートだった私の人生を変えた、発信力の育てかた)』という本を出させてもらいましたが、SNSは自分のやりたいことをやって生きていく力をくれる場だと思います。どん底だった私の経験を通して気づけたこと、私のSNSの使い方、夢を叶えることを、もっとみんなに知ってもらう活動ができたらなと思っています。

モテクリエイター・菅本裕子(ゆうこす)
すがもと・ゆうこ

1994年福岡県出身。
通称「モテタレント」。元アイドルという経歴を持ちながら、そのモテるための貪欲な自己プロデュース能力の高さがSNSを中心に話題になり再デビュー。
全国的に開催しているイベント「ゆうこすモテ教室」は常にチケットが入手困難になっている。また、YouTubeチャンネル「ゆうこすモテちゃんねる」も話題沸騰中。Twitterフォロワー数:約20万人
https://twitter.com/yukos_kawaii

 

椎木 里佳(AMF代表取締役社長)
椎木 里佳(AMF代表取締役社長)

椎木里佳(シイキ・リカ)1997年生まれ。株式会社AMF代表取締役社長。現在、慶應義塾大学文学部に在学中。

女子中高生のマーケティングチーム「JCJK調査隊」を運営し、女子中高生向けのプロデュース事業などを手がけ、株式会社TOKYO GIRLS COLLECTIONの顧問、タグピク株式会社の戦略顧問にも就任。2016年2月には、Forbes ASIAが選定する「30歳以下の世界が注目すべき30人」に選出される。著書に、「女子高生社長、経営を学ぶ(ダイヤモンド刊)」「大人には任せておけない!政治のこと(マガジンハウス刊)」。Twitter:https://twitter.com/rikashiikiamf

椎木 里佳(AMF代表取締役社長)

椎木里佳(シイキ・リカ)1997年生まれ。株式会社AMF代表取締役社長。現在、慶應義塾大学文学部に在学中。

女子中高生のマーケティングチーム「JCJK調査隊」を運営し、女子中高生向けのプロデュース事業などを手がけ、株式会社TOKYO GIRLS COLLECTIONの顧問、タグピク株式会社の戦略顧問にも就任。2016年2月には、Forbes ASIAが選定する「30歳以下の世界が注目すべき30人」に選出される。著書に、「女子高生社長、経営を学ぶ(ダイヤモンド刊)」「大人には任せておけない!政治のこと(マガジンハウス刊)」。Twitter:https://twitter.com/rikashiikiamf

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