総広告費は6年連続のプラス成長
電通が2月22日に発表した「日本の広告費」によると、国内広告市場は前年比101.6%の6兆3907億円だった。2012年にプラスに転じてから6年連続で前年を上回っている。2017年は、世界経済の回復、企業収益の拡大、雇用環境の改善、円安株高など景気を後押しする条件が揃い、特に4年連続で2ケタ成長となったインターネット広告費がプラス成長に寄与した。
インターネット広告は運用型広告へのシフトが進む
インターネット広告費は前年比115.2%の1兆5094億円で、うち媒体費は1兆2206億円(前年比117.6%)。媒体費の中でも運用型広告費は9400億円(127.3%)で継続して伸びた。メディア側における予約型広告から運用型広告へのシフトが進んだ結果、媒体費全体における運用型の構成比は 77.0%と、全体の 4分の3を超えるに至った。また、前年に続いて動画広告が拡大。特に、運用型広告におけるモバイル向け動画広告が活況を呈し、成長をけん引した。
マス四媒体はラジオ広告以外減少
マスコミ4媒体広告費は前年比97.7%と微減だった。ラジオ広告費(100.4%、1290億円)のみ前年を上回り、テレビメディア広告費(99.1%、1兆9478億円)、新聞広告費(94.8%、5147億円)、雑誌広告費(91.0%、2023億円)は前年割れした。
地上波テレビのうち、番組(タイム)広告は99.1%で前年のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの反動減の影響などで減少した。スポット広告は98.8%で、一部の業種では増加したが、全体としては低調で推移した。ラジオは2年連続で増加。
プロモーションメディア広告費は前年比98.5%の2兆875億円。展示・映像ほか(106.1%、3,389 億円)、 POP(101.2%、1,975 億円)、屋外広告(100.4%、3208億円)が微増、他は減少だった。
業種別では、21業種のうち6業種で広告費が伸びた。増加したのは「不動産・住宅設備」(108.9%)や「エネルギー・素材・機械」(108.0%)など。減少したのは「家電・AV 機器」(88.6%)、「精密機器・事務用品」(88.8%)など15業種だった。