「ドクター・ショール」を「自分ごと化」させた動画活用戦略とは?

ヘルスケアブランドを展開するグローバル企業であるレキットベンキーザー・ジャパンは、「ドクター・ショール」シリーズの新たなターゲットとしてママに注目し、動画広告を実施した。その詳細について、レキットベンキーザー・ジャパン マーケティング本部 アシスタントブランドマネージャー 吉岡杏奈氏と大石暖美氏、「MAMADAYS」編集長宮下ゆりか氏とエブリー ライフスタイルカンパニー 今津友里氏に聞いた。

左から、エブリー ライフスタイルカンパニー 今津友里氏、エブリー 「MAMADAYS」 編集長 宮下ゆりか氏、レキットベンキーザー・ジャパン マーケティング本部 アシスタントブランドマネージャー 吉岡杏奈氏、マーケティング本部 アシスタントブランドマネージャー 大石暖美氏

「ママならでは」のニーズを発見 戦略ターゲットに設定

吉岡:2014年に発売した「ドクター・ショール ベルベットスムーズ 電動角質リムーバー」は、発売以降順調に売上を伸ばし、シリーズ全製品累計約250万個の販売を達成(※1)。しかし2015年をピークに、売れ行きが鈍化し、新たなターゲットの発掘が急務の課題になっていました。

ここ1年間は30 ~50代の女性をターゲットに、SHIHOさんをイメージキャラクターに据えて、テレビCMを中心に広告を展開してきたため、生活者からは美に関心の高い層のためのブランドというイメージが強くありました。

2017年11月に行った消費者調査の中で「子どもが小さいと、ママたちの目線も下がり、かかとの荒れが気になる」、「体育館などで裸足になったとき、他のママにかかとを見られたくない」といった、ママたちならではの「かかとのお悩み」の声が出たことに注目。ママに特化して接触できるメディアを探し、「MAMADAYS」さんに相談しました。

宮下:ママたちは生活の中で靴を脱ぐ場面が多く、「かかとのお悩み」には共感が集まると思いました。日々寄せられるコメントや、ライブ配信時のコミュニケーションを通じて、ママであるユーザーは「自分の悩みを誰かに共感してほしい・代弁してほしい」という気持ちを抱えていると感じています。吉岡さんのお話を伺い、ママならではの「かかとのお悩み」を「MAMADAYS」なりの手法で代弁することで、必要な人たちに向けて商品価値を伝えられると考えました。

「MAMADAYS」ファンを集めた座談会形式の動画広告

今津:ご提案した企画のひとつが、「MAMADAYS」のユーザーを集めて座談会を行うというもの。「かかとにお悩みを持つ」3名のママさんに集まってもらい、お悩みを聞いたうえで「ベルベットスムーズ 電動角質リムーバー」をその場で体験してもらいました。集まったママたちからは、リアルな言葉が次々と飛び出しました。

「あなたの足裏をひと言で表すと?」という質問には「さぼてん」「亀の甲羅」「地割れ」という答が。「子どものプールに付き添いで行ったとき、他のママにかかとを見せないように歩く」など、ママならではのエピソードも。同じママであり同じ「MAMADAYS」ユーザーでもある人の言葉こそ共感を集めるだろうと、動画内ではコメントをそのまま生かしました。

実際に商品を体験してもらうときには、商品の肝である「削る」過程がうまく見えるよう、撮り方を工夫しました。削れた角質が粉になって舞う様子をきちんと映すなど、これまでの「ドクター・ショール」さんの広告のトンマナとは異なる、リアル感のある描写を意識しました。

吉岡:コンテンツ制作で重視していたのは「イシュー(問題)・セットアップ」。症状に共感してもらい、問題を自分ごと化してもらうこと。撮影にも立ち会いましたが、集まったママさんたちのかかとの状態や、飛び出すお悩みの言葉、すべてがリアルなユーザー像そのもので、これはきっと良い仕上がりになるぞ、と。編集後の動画では、ビフォー・アフターの様子がよくわかって、同じように、ガサガサかかとに悩んでいる人に響くと感じました。

座談会からは、ママならではのかかとに関するリアルなお悩みが多く出てきた。そのリアル感が、動画としてユーザーの共感を呼ぶことにつながった。

実購買の結びつきを可視化するライブコマースに期待

今津:座談会形式のタイアップ広告は初めての試みで、ガサガサのかかとを冒頭で見せたり、粉が舞うリアル感のある演出をしたりと挑戦的な演出が多く、ユーザーの反響が期待できると思いました。動画配信後のアンケート調査の結果、かかとにお悩みを持っているママたちは全体の92%、さらに、80%のユーザーの利用意向を高めることができました(※2)。

この結果から、かかとにお悩みを持つママたちは予想通り多かったこと、狙った通りに動画が響いたことがうかがえます。動画好感度も86%(※2)と非常に高く出て安心しました。また、「スムーズに削れていて痛みがなさそう」などと、商品訴求そのものの声がフリーアンサー内で書かれており、動画のメッセージをしっかりと受け止めてくれていると感じます。今回の動画による広告認知度は57%、テレビCM約30回分に相当する結果が得られました(※2)。

大石:実際、動画のコメントの中で「前から気になっていたけど、動画を見て買ってみました」と写真付きでアップしてくださる方もいましたね。

吉岡:再生数も良く、動画のクリエイティブ面はとても満足しています。一方、残念ながらこのプロモーション期間で目標としていた売上は達成できませんでした。グローバルビジネス全体が次なる展開を迫られていると感じています。とはいえ、個別の施策と売上の因果関係は、推測でしか評価できません。今回の「MAMADAYS」さんの施策と実購買との結びつきを、より可視化できたらありがたいのですが……。

宮下:そうしたご要望にお応えするために、今後、動画を視聴したユーザーがその場で商品を購入できる仕組みを提供していく予定です。生配信で質問を受け付けながら商品を販売する「ライブコマース」のトライアルも行っています。認知から購買まで、トータルでサポートできるような体制を、今まさに整えているところです。

吉岡:それはとても魅力的ですね!今回の動画で行った「動画による実演販売」を、ライブコマースやビデオコマース上で実現できたら、より直接的に売上への貢献度が分かるはず。今後の展開に期待しています。

※1インテージSRI調べ/ 2014年9月~ 2017年12月角質ケアセグメント シリーズ全製品累計販売個数
※2「MAMADAYS」調べ/2018 年4月 n=100 Facebook Ads 調査


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〒106-0032 東京都港区六本木7-14-23 セントラム六本木ビル4F
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URL:https://corp.every.tv/
E-mail:info@every.tv

 

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