お金を払って仕事をするのはなぜ?オンラインサロンの秘密(ゲスト:箕輪厚介)【中編】

【前回コラム】「与沢翼を見たとき「こいつから金を取れる」と思った(ゲスト:箕輪厚介)【前編】」はこちら

ゲストは前回に引き続き、幻冬舎の編集者・箕輪厚介さん。月会費5,800円のオンラインサロン「箕輪編集室」の参加者は現在1000人以上。メンバーは何を求め、箕輪さんのもとに集まってくるのか?

今回の登場人物紹介

左から、箕輪厚介、澤本嘉光(すぐおわパーソナリティ)。

※本記事は6月14日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。

コミュニティとは何か?

権八:この本も箕輪さんの編集ですよね。最近出た佐渡島さんの『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~』。これも面白いですね。

箕輪:この本は難しいというか、超ニッチな話で、「コミュニティ気になってたんだよね」というのはニューズピックス界隈ではいるんですけど、普通の人はコミュニティと言われても、地域コミュニティを思い浮かべたり、そもそもそこに問題意識すらないので相当にニッチなジャンルの本なんです。でも、そこに関心のある人にとっては面白い本になっていると思いますね。

澤本:この場合の「コミュニティ」というのは?

箕輪:コミュニティは定義を定義するみたいな時期なので難しいんですけど、一種の価値観、こういうのが好きだよねという共通項において、ネット上で同じ価値観において繋がっている集団という感じですかね。

澤本:たとえば堀江さんのことが気になっているという価値観において繋がっている集団をコミュニティと言います、と。

箕輪:そうですね。それがツイッターのフォロワーという、緩いけど広い100万人ぐらいのコミュニティから、ホリエモンに月1万円払うことで秘密のFacebookグループに入れて、ホリエモンと直でディスカッションしながら一緒に仕事を進めていく2千人の濃いコミュニティまで、いろいろ段階があります。僕がホリエモンの『多動力』をつくる際に巻き込んだのはオンラインサロンの2千人のうちの100人ぐらいですね。

澤本:その方々にたとえば「ゲラを読んでくれないか。本づくりに参加してくれないか」ということで巻き込んだということですよね?

箕輪:そうです。

中村:一匹狼のようにやられてきた天才肌の澤本さん、権八さんは「コミュニティ? けっ」というところが絶対あると思うんですよ。

箕輪:絶対ある。あ、そこ面白いですね。

権八:ないよ!

中村:僕もわりと「俺は俺の道を進むからいいや」とやってきたんですが、どうやら世界はコミュニティというものをうまくつくれないといけないようだと。

権八:今はそういう問題意識の高い人がみんなそっちにいくよね。堀江さんも西野くんも佐渡島さんも、いつの間にそうなったんだろうと。

箕輪:広告もそうかもしれませんが、出版は本当に顕著で、エゴサーチをしてるとミリオンを出した堅いレガシーな編集者は「コミュニティと言ってクオリティをごまかすのはダメだと思う」と。僕の名前を出してないけど、確実に僕に向けて言ってるなと。

一同:(笑)

箕輪:当然その気持ちはすごくわかります。世の中に初めて出して判断されるという通常の流れをコミュニティでごまかしてるじゃないけど、「仲間内に売って、それで盛り上がって現象をつくっちゃうのってズルくない?」という気持ちは想像できなくはないですね。

中村:でも、それにしても箕輪さんはヒットが続きすぎじゃないですか。

権八:そうなんですよ。結果を出してるし、箕輪さんが言ったように自分のところのコミュニティで話題にして、そこからどんどんバズの輪を大きくしていくと。特に堀江さんの本を出したときにそのノウハウを。

箕輪:そうです。ホリエモンはネット上に緩やかにコミュニティを持っていて、それこそオンラインサロンが2千人ぐらいいて、フォロワーが100万人ぐらいいます。ホリエモンって毎月のように本を出していて、コミュニティ自体はホリエモンの本に飽きてるんだけど、そこの人たちを巻き込んで一緒につくったり、宣伝したりすることで、コミュニティの中でも「特別な本だよね」という位置づけを『多動力』ではしていて。

そうすると火のつき方が違いますよね。当然、内容とリンクしてくるから、単純にノウハウ論でやってもうまくいかないんですけど、自分事にしていくというか。まず本ができる前に校閲などをサロンメンバーにさせてましたね。

次ページ 「お金を払うことが、モチベーションのスクリーニングになっている」へ続く

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