次の施策、そして売上につながるデータとは?~デジタル時代のブランド研究会~

オプトと宣伝会議が共同で立ち上げた「デジタル時代のブランド研究会」。11回目となる今回は「デジタル化するマーケティング~デジタルならではのブランドの構築~」をテーマに議論が行われた。

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左からソニー損害保険 大竹弘通氏、三菱電機 桑畑一浩氏、デジタルインテリジェンス 横山隆治氏、KDDI 合澤智子氏、オプト 松田 清氏、オプト 中野宜幸氏、オプト 久保田航平氏

データを読み解く人材 企業内での育成が急務

今回の参加企業は三菱電機、ソニー損保、KDDI。いずれもテレビCMを始めとするマス広告への出稿とともに、デジタル領域のコミュニケーションを通して新たなブランディングの形を模索する企業だ。

はじめに、デジタルインテリジェンス代表取締役の横山隆治氏が「デジタル化の本質」について講演した。カスタマー側がデジタル化している今、企業側にはデジタル化すべき必然性があり、マーケティングを再定義する時期に来ていると背景を説明。

マーケティング組織や人材育成のコンサルティングを行う機会の多い同氏は今、必要とされる広告・マーケティング部門のスキルの理想像を描いた上で、計画的にスキルセットが組織内で養われていくような戦略が必要と指摘。さらにデジタル化の推進は経営層からトップダウンで進めるべきなので、経営層の理解をいかに促すかも重要との見解を示した。

参加企業からは「今もカタログがコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしているため、どのようなデータを集めれば良いのか」(三菱電機 桑畑一浩氏)、「データの活用が施策結果の分析に留まり、次の打ち手につなげきれていない」(KDDI 合澤智子氏)、「データを用いた効率化だけでなく、市場を創造するような取り組みも同時に求められていると感じる」(ソニー損保 大竹弘通氏)といった声が上がった。

続いてオプトの松田清氏がデジタルならではのコミュニケーションについて講演した。

「テレビとデジタルを横断した最適化が必須となった今、大事なのはデジタルだからこそ捉えられる顧客のモーメントとインサイトをいかにマーケティング戦略に組み込めるか。そこに対応したメディアとクリエイティブのアプローチが必要。また購買との関係性を捉えたコミュニケーション設計と連動したKPIの設計、この考え方に基づいたPDCAを展開し売上にどう影響するのか。その説明責任に応えることが必要」と述べた。最近の傾向として「売上に対する貢献効果のニーズが高まっている」という。

講演を受け、同じくオプトの久保田航平氏が事例を紹介。あるコンテンツのキャンペーンで若者の集客を依頼され、過去に社会現象となったコンテンツを検証、そこにSNSや口コミとの相関を発見し、中高生、大学生などそれぞれのクラスタに分け施策を実行した結果、目標の収益を上回ったと述べた。

ディスカッションの後半では、この事例で口コミ数がKPIとして採用された理由が話題となった。合澤氏からの「デジタルではユーザーの行動の可視化が可能だが、ビジネス貢献の可視化にはまだ課題が多い」との発言に対し、久保田氏は「売上相関性」に加え、「モニタリングの実行可否」や「施策反映への実現性」も重要と説明。

デジタル化が進み明確になることが増えて顧客理解が進む一方、担当者にとっては「次の施策や売上に結びつくか」がより問われていると言えそうだ。


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