パーソルキャリアのアルバイト求人情報サービス「an」が導入を即決! 新規顧客の獲得を叶えたテクノロジーとは?

Criteoが新規顧客の獲得を実現するフルファネル対応のプロダクトである「CCA」を日本市場に投入。すでに50あまりの企業が採用を決めている。大手人材サービスのパーソルキャリアではアルバイト求人情報サービス「an」が導入。導入から1カ月あまりで、すでに大きな成果を挙げているという。その詳細について聞いた。

Criteo 小島圭一郎氏・知地俊弥氏、パーソルキャリア 森勇樹氏・森田陽介氏
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パーソルキャリアWorks事業部 プロダクト&マーケティング企画統括部 兼 マーケティング企画部 ゼネラルマネジャー 森勇樹氏

パーソルキャリアWorks事業部 プロダクト&マーケティング企画統括部 マーケティング企画部 ブランドコミュニケーショングループ グループリーダー 森田陽介氏

競合が多い人材市場 課題は新規ユーザーの効率的な獲得

人材不足、売り手市場が叫ばれる昨今の日本の人材市場。その中で、人材サービス企業にとっては競合との厳しい戦いが続いている。

人材サービス会社のパーソルキャリアでも、新規獲得が大きな課題となっていた。アルバイト求人情報サービスのサイト運営を手掛ける「an」を擁するパーソルキャリアは、転職支援、求人情報などを手掛ける人材サービス会社の大手。同社のWorks事業部の森勇樹氏は「an」の認知拡大からユーザー獲得の領域、および会員へのメールマーケティングといったマーケティング部門の統括を行っている。

「我々の業界では各社、アッパーファネルの施策として毎月のように大量のマス広告出稿を行っています。各社がテレビCMを中心に、広告をあらゆるメディアに投下し、ユーザーのモチベーションを喚起した後、いかに興味を喚起されたユーザーを効率よく獲得できるかが課題といえます」と語った。

そうした課題解決のため同社が導入したのが Criteoのフルファネルソリューションのひとつである「Criteo Customer Acquisition(クリテオ・カスタマー・アクイジション)=以下『CCA』」だ。

リターゲティング広告市場を牽引するCriteoは今年、新たに潜在的な新規顧客を獲得する新ソリューション「CCA」を日本市場に投入。「CCA」導入以前からもCriteoのプロダクトを活用してきたパーソルキャリアでは、顧客獲得という最重要段階における同社のパフォーマンスに大きな信頼を寄せてきたという。

独自の学習エンジンとレコメンドエンジンが肝

「Criteoさんのパフォーマンスの肝が独自の学習エンジンとレコメンドエンジンにあることは理解していました。そのため、通常のブロードで集客するよりも、より見込みのある新規顧客にリーチできるのではないかと考えました。お話をいただいてからほぼ即決で『CCA』の導入を決定しました」と森氏。

これまでは新規顧客の獲得施策としてテレビCMや交通広告の出稿、イベント開催などを行ってきた「an」。デジタル施策においては、認知を獲得するためにSNSを活用した動画配信を続けてきた。

コンテンツマーケティングの一環として、スポーツや映画などとバイトをかけ合わせた思わず挑戦してみたくなるような「an超バイト」という企画や、女子高生のためのWebマガジン「EMMARY」も発行。バイトとanとを結びつける試みのひとつだ。一見、バイトからは遠いこれらの施策の狙いについて森氏は次のように説明する。

「たとえば学生がバイトをしようと考えてからコンバージョンに至るまでの期間は大体、1日程度しかありません。長くかかったとしても1〜2週間程度。一度採用が決まれば、当然ながら求人サイトの活用は休眠期間に入ります。そうした休眠期間にもエンゲージメントを持つことが、競合のマスプロモーションに対する我々の戦い方といえます」。

CCAの導入は、これら今までの施策に追加して、一歩先を行くための一手だ。

新たにKPIを再設定 マーケティングの評価指標を見直す

CCA導入後の変化について同事業部の森田陽介氏は次のように語る。「10月の頭に導入してからまだ1カ月ほどですが、早くも成果が出始めています。評価指標は最終的にはCPAで見ていくのですが、現在はクリック単価の安さや新規ユーザーの比率などで評価しています。その点からいえば、過去に実施した施策よりもCCAのほうが優位な数字が出ています」。 

Criteoのシニアセールスマネージャー 知地俊弥氏は今回の成果をこう解説する。「通常のリターゲティングキャンペーンにおけるROASやCPAの基準をそのまま新規顧客に適用するのが難しいことはあらかじめ伝えさせていただきました。今回、クリック単価や新規率などといった別指標を設けていただいたことが成果につながったと思います。そのため、KPIを新規で設定することはとても重要なポイントになると考えています」。

新規のKPIを設定できた背景について森氏は次のように述べた。「我々の中でも最適な許容値や基準値みたいなものはまだ模索中の段階です。ただ、それを決めきってからスタートするのでは発見も何も見えてきません。まずはやってみて、結果を見ながら徐々に最適解を探すアクション起点のPDCAを回していきたいと考えました」。  

さらに今回、アクション起点という柔軟な行動が取れたのには組織の変革が大きく寄与していると森氏は続けた。

「もともと私はCPA重視で獲得していくチームにいました。またそのチームとは別で、マス広告を中心とした認知獲得施策だけを見るチームもありました。それをこの4月から獲得も認知もすべてひとつの指揮系統の中に入れた組織に変え、その中で全体最適を徐々に磨き込んでいます。組織の柔軟性でいえば、かなり統合型に近い体制になっていると思います」。

しっかりとブランド全体について考えながら年間の投資額を決定し、どれほどブランドリフトが起こったかも含め、長期短期両方の視点でコミュニケーションできるようになってきたのがここ最近の変化だという。

最新テクノロジーの活用で大手競合に頭脳戦を挑む

今後、Criteoのソリューションを活用して解決したい課題について、森田氏は次のように語る。「『an』の集客および応募について言えば、我々は競合と比べてチャレンジャーの立場。だからこそマス広告に大型投資をする旧来の手法ではなく、CCAのような最新のテクノロジーを活用していかに頭をつかって戦っていくのか。そこが一番大事なポイントになると思います」。 

それに対して知地氏は、「今後は動画広告についての開発も行っていくので、これまで以上のお役立ちができると思う」と今後のプロダクトのロードマップを語った。さらに、「また、今後はこれまでご活用いただいていたリテール領域だけでなく、旅行や金融での活用など、より幅広い業種でパフォーマンスがあることを啓蒙していきたい」と今後の活用可能性についても言及した。



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