1位はAmazon、エコシステムモデルの構築がカギに
広告会社のWPPとWPPグループで調査・コンサルティング業務を担うカンターは6月12日、2019年の世界のブランド価値ランキングTop100を発表した。本調査は今年で14年目となるもので、300万人以上の消費者調査に基づいて測定されたブランド資産と、企業の財務実績・業績分析を組み合わせてブランド価値を算出している。
今年のランキングで1位の評価を受けたのはAmazon。テクノロジーブランド大手のGoogle、Appleを抑えての1位という結果となった。
■2019年のBrandZ Top10
カンターのBrandZ Global Head であるDoreen Wang氏は、今年の結果について「テクノロジーが持つ柔軟性により、Amazon、Google、Alibabaなどのブランドでは、消費者との接点が複数にわたる幅広いサービスの提供が可能となり、そのサービス間の境界はあいまいになってきている。こうしたブランド各社は、自らのコンシューマーエクスペリエンスや専門技術を利用して、ビジネスサービスの境界を越え、新たなブランド成長の機会を生み出そうとしている。既成概念を打ち破るエコシステムモデルは、各地で成功を収めつつある」とコメントしている。
日本ブランドのランキング、資生堂が急成長
日本ブランドではTOYOTA(41位)とNTT(70位)がTop100にランクインはしたものの、いずれも前年からは順位を落としている。
一方でTop100には入らなかったものの、パーソナルケアカテゴリーで10位に入った資生堂は前年比で56%ブランド価値を上昇。特に、想起性と差別性の評価が高くポテンシャルスコアが高いことからも今後もさらに成長が続くとカンターは見ている。
■革新的なブランドとして急成長しているShiseido
また、急成長ブランドのTop10ではテクノロジー企業が多い中で、2番目に大きな成長幅を見せたのが、ヨガをはじめとしたアスリート向け製品を提供するアパレル企業Lululemon(ルルレモン)だ。前年比77%増の692億ドルにまで成長している。