『ガラスの仮面』に学ぶマーケターのヒント③「コア・メッセージを考える」篇

【前回コラム】「『ガラスの仮面』に学ぶマーケターのヒント②「プレゼンテーション」篇」はこちら

コア・メッセージを考える上で大切なポイントは3つ

本連載も3回目です。先日、1回目の記事を読んでくださった方から、マーケティングのヒントをもらえたというよりも『ガラスの仮面』を読んでみたくなったという感想をいただきました。

2回目はちょっと真面目にプレゼンテーションの話を書いてしまったのですが、もしかしたら『ガラスの仮面』ネタをもっと出すほうが楽しんでもらえるのかなと思い、そこで今回は、『ガラスの仮面』の中でも私の大好きな台詞を取り上げ、コミュニケーション設計上、必要なコア・メッセージについて語ってみようと思います(※『ガラスの仮面』が好きな方は、どの台詞なのかを想像しながら読んでもらえると、より楽しめると思います)。

『ガラスの仮面』の中には名台詞がいくつも登場します。月影千草が北島マヤの才能をたたえていう台詞「おそろしい子!」はあまりに有名すぎるので、今回は別のものを選んでみました。

私がコミュニケーションを設計する上で一番大切にしているのは、戦略面でもクリエイティブ面でも、その全体の核となるコア・メッセージの開発です。

さらっと言っていますが、これが最も時間のかかる作業で、社内メンバーはもちろん、広告会社の戦略担当者やコピーライター、クリエイティブディレクターも巻き込み、毎回メンバー総出で取り組み、試行錯誤を繰り返し、数カ月かけて開発しています。本を読んだり、他の企業担当者の講演を聞きに行ったりしていますが、成功するコア・メッセージのつくり方は未だ見いだせずにいます。ただ、私個人として、下記のポイントを大切にして、コア・メッセージを開発するようにしています。

【1】誰もが直感的に理解できる言葉で語られていること
【2】消費者にとっての価値・メリットが述べられていること
【3】同時に競合を陳腐化できていること

【1】は言わずもがなだと思うので説明は割愛します。

次に【2】ですが、自社製品を売り出す時にありがちなのが、自分たちが思っている製品特長が消費者にとってはそこまでメリットに感じないというもの。だから客観的な消費者目線で特長を解釈し直そうというのが【2】消費者にとっての価値・メリットが述べられていることです。

最後の【3】がどういうことかを、『ガラスの仮面』の台詞で説明したいと思います。

次ページ 「自社製品の価値やメリットを伝えつつ、競合を陳腐化させる」へ続く

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渡瀬 薫(ライオン コミュニケーションデザイン部)
渡瀬 薫(ライオン コミュニケーションデザイン部)

#ライオン #コミュニケーションデザイン部 #ファブリック担当 #クリエイティブ・ディレクター #元IMJ #元四季 #ダンサー #ライオンキング #ミラノ・スカラ座勤務 #東大卒

渡瀬 薫(ライオン コミュニケーションデザイン部)

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