はじめまして、上塘です。
これから何週かに渡って「企画を通すコツ~オリエンからプレゼンまでの時間の使い方~」というお題でコラムを書くことになりました。僕は、大学生の時にアメリカに渡り、また日本に戻ってきて、外資系広告代理店などで戦略プランナーを6年くらいやって、4年前にゼンコミュニケーションデザインズという会社を作って現在に至ります。
かれこれ10年くらい、この業界でメシを食ってきました。宣伝会議さんとは、以前から企画講座の講師としてお付き合いがあった関係で、今回このコラム執筆のお声をかけて頂いた次第です。僕の講座に参加されたことがある方は、ところどころ“すでに聞いた話”が混じるかもしれませんが、どうぞご容赦ください。
まず、白状しておきます。
僕がこれから書くコトは、すべて“カミトモ式の方法論”になります。世間や業界で広く認知されている“常識的で安全な方法論”とは、少し異なります。というか、むしろ、読む方によっては、非常識な考え方、インチキな屁理屈、とさえ感じるかもしれません。しかし、そうであるならば、それこそ僕の本望です。と僕がいったら、皆さんはどう思われるでしょうか。僕は毎日、常識を肯定しないように意識しながら、モノゴトを見たり、考えたりしています。まあ、もともとがアマノジャクな質だから、ということはありますが、もう少し積極的に、努力してそうしているのです。なぜだと思われますか?
「“企画”は常識を疑うことからはじまる」そう実感しているからです。実は、これがこのコラムの基調でもあり、一番伝えたいメッセージだったりするのですが、ちょっと話が長くなりますし、原稿の字数制限もありますので、回を重ねる中で、おいおい消化していくことにします。
今回は、第1回らしくということで「企画の定義」から、話をはじめたいと思います。
第一回目は “企画の定義”について。
広告業界では、プランナーの専門分野のように語られる“企画”ですが、
ほんとうにそうでしょうか?
まず、一般的な目線で企画を定義すると…
現在の状況に何らかの創意工夫を凝らすことによって、明るい将来を手に入れる、それが企画の本質です。ビジネスシーンでは、あたかも専門分野のように語られる企画ですが、このように定義すると、とてもカンタンそうに思えてきます。そして、プライベートでは、誰もが平気で企画を考え、実行していると気づかれることでしょう。その通りです。企画をプランナーの専門分野だと思っていた方は、今スグ「企画は誰でも考えられるし、普段から実行している」と頭の中にインプリントしましょう。
次に、クライアント目線で企画を定義すると…
一般的な定義よりも、ビジネス色がグッと強くなりました。でも基本的な構造は、同じです。クライアントにとって、現在の課題を解決することが企画であり、その結果得られる明るい将来は、目的達成になります。文字にすると、当たり前のことではありますが、クライアントは、この目線で企画を判断しています。 (次ページへ続く)