日本パブリックリレーションズ協会は1月22日、広報・PRの視点から2019年に最も活躍した個人や団体を顕彰する「日本PR大賞」の授賞式を都内で開催した。「パーソン・オブ・ザ・イヤー」にはラグビー日本代表のヘッドコーチ、ジェイミー・ジョセフ氏が選ばれた。地域社会の発展に貢献した個人・組織を称える「シチズン・オブ・ザ・イヤー」には、一般社団法人「注文をまちがえる料理店」が選出された。
ジェイミー・ジョセフ氏は元ラグビーニュージーランド代表選手。日本代表としても1999年のワールドカップに出場している。2016年9月から日本代表ヘッドコーチに就任し、2019年のワールドカップでは初のベスト8に導いた。“ONE TEAM”のスローガンのもと、多様性を重んじるラグビーの精神を浸透させ、新しいファンの獲得とブーム復活のけん引役となった点が評価された。
当日はジョセフ氏に代わって日本ラグビーフットボール協会の森重隆会長が登壇。「監督はとても男気がある。ベスト8という結果を残せたのは、彼の人柄が反映されたチームの空気感も大きい。ジェイミーも受賞を喜んでくれると思う。一緒にラグビー界をもっと盛り上げていければ」と語った。
「シチズン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた「注文をまちがえる料理店」は、NHKディレクターの小国士郎氏(現在は独立)と介護福祉士の和田行男氏が2017年に発足したプロジェクト。2018年に社団法人化した。料理店の注文を取るスタッフに認知症の患者を起用し、各地でレストラン型イベントを開催。注文を間違えても受け入れる寛容な雰囲気の広がりを目指し活動している。
2019年にはカンヌライオンズのデザイン部門でシルバーを受賞したほか、同年のACC賞マーケティング・エフェクティブネス部門グランプリを獲得している。とらや工房、東京都町田市、厚生労働省など多様なパートナーと組み、活動の場を広げている点が評価された。
当日は小国氏が登壇し、「間違いは受け入れることで間違いではなくなる。逆に間違いを楽しんで一種の“エンタメ”と捉える共感の輪を広げていきたい」とコメントしたほか、クリエイティブ面を担当した近山知史氏(TBWA\HAKUHODO)は「捉え方によってはセンシティブな内容。リスクももちろんあるが、様々な意見を受け入れつつ日本を代表するPR企画に育てていきたい」と語った。