【前回コラム】「引っ込み思案の女の子が芸能界でスキルを磨き、上京して演技派女優になるまで(ゲスト:奈緒)【前編】」はこちら
今回の登場人物紹介
※本記事は2019年12月8日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。
ワークショップで芝居に開眼
澤本:以前話していたワークショップって、演劇のですか?
奈緒:そうです。東京で教えていらっしゃる方が福岡に来るというので。その当時の事務所では、みんなモデルコースで受けていたんですが、その先生は、お芝居も教えられる方だったので、私はお芝居をやったことがないからやってみたいと思って。そこで初めてお芝居のワークショップを受けました。
澤本:どうでしたか?
奈緒:びっくりしました。「はいじゃあ、即興芝居をやってください」って言われてやった時に、自分の声がすごく大きくてびっくりして。「私、こんなに大きな声が出るんだ!」と、けっこう衝撃で。家に帰ってからもずっと頭から離れなくて、当時の事務所のマネージャーさんに連絡して、「すみません、本当にわがままな話なんですけど、お芝居がやりたいです」って言ったら、「実は先生から連絡が来て、『あの子はお芝居をやらせたほうがいいと思うよ。彼女もきっとやりたいと思う』って言っていたんだけど、やっぱりやりたいんだ?」って。
澤本&中村:えーーーー!!!
奈緒:「やっぱりやりたいです!」って号泣しちゃって……。
澤本:きっかけはそれなんだ。
奈緒:「私にはお芝居だ」ってなったきっかけはそうですね。
澤本:受けてみるものだね。
奈緒:そうですね。俳優の山田裕貴さんとこないだ話していた時に、「授業のコース選択でお芝居を選んだ」って話をされていて、「なぜお芝居だったんですか?」と聞いたら、「歌のコースは、自分はそんなに歌がうまくないしなぁ……。モデルコースは身長が高くないしなぁ……って消去法で。お芝居はやってみないと分からないなぁって。心の仕事だから、自分には心があるからいけるかなって思った」って言っていて。でも本当にその時に、「確かにお芝居ってやってみないと、やれるかどうかも分からないものだな」って。そういう意味では誰でも一歩踏み出せる場所だったんだなって、思ったんですよね。厳しいけど、入口がすごく寛大な場所だって。
中村:それ、才能なんですよ。僕は、大学で学生演劇をやっていたんですけど、演出はできるんですよ。台本を見た瞬間に、こういうふうに読めばいいというのは分かるんだけど、自分でやってそれを録画してみると「何?この大根!」みたいな……。自分を客観視できないんですよね。だから演出は得意だけど舞台に絶対出ない人とか、いますよね。自分をちゃんと客観視できるというか、板の上に立っている時の自分が見えているんだろうなぁ。それが見えている子って天性だから、たぶんそういうのもあって「彼女はお芝居やったほうがいいよ」ってなったんじゃないかなぁと思いますけどね。
奈緒:あの時に、先生が言ってくださって、今でもすごく感謝しています。