SIMCは「宣伝会議インターネットマーケティング&クリエイティブフォーラム」の頭文字をとったもので、昨年まで開催してきた「宣伝会議インターネットマーケティングフォーラム」のテーマをバージョンアップしたもの。
例年、オフラインで開催をしてきたが今年は初めて全講演をウェビナーで実施した。
今年のテーマは「BtoCからBwithCwithCへーブランドが今、人と人とのつながりのためにできること」。
マーケティング活動を支える注目企業が登壇し、今後必要となるアイデアや手法、テクノロジーについて、その導入や実践方法を解説した。本記事では、その講演の一部をレポートする。
オンラインとオフラインの垣根を超えて運用されるOMOマーケティングでは、顧客の位置情報が欠かせないようだ。「顧客のWeb上の行動データだけで推測される顧客像には限界がある。顧客の実際の日常生活や、OOHメディアに接触した人数など、位置情報を分析することでしか推測できない顧客情報も存在する」とシナラシステムズの久保信輝氏は、位置情報の価値について言及した。
シナラシステムズは携帯電話などの通信キャリアの位置情報と契約者情報を完全匿名化・統計化し、個人情報の問題をクリアして活用することで、オンライン・オフライン関係なく、店舗主体でのマーケティングの実現を目指すプラットフォームだ。本講演では「ウィズコロナで求められるPDCAとは」をテーマに、実店舗を持つ企業が留意しておくべきことについて解説した。
ウィズコロナでの実店舗マーケティングにおける重要なKPIは、来店顧客の量と質の違いをしっかり認識することだという。従来は、来店客数は多いほど良いとされていたが、コロナ禍では「密」を避けるために来店客数に上限を設けている店舗も多いため、今までのKPI設定では、指標の意味が薄まると久保氏は指摘する。現在は、確実に売上に貢献してくれる重要顧客に対してピンポイントでターゲティングする戦略にシフトする必要があるとの考えを示した。
さらに同社は、デジタル広告や自社の公式サイトに接触した消費者がどの程度実店舗に来店したのかをリアルタイムで可視化できるプラットフォームも提供する。
最後に久保氏は、「デジタルとリアルの分析を掛け合わせることでOMOマーケティングを最適化し、PDCAを早く回すことにつながる」と解説し、講演を締めた。
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