※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。
朝活のメリット
「朝渋」は、東京・渋谷を拠点に全国で活動している朝活コミュニティ。「主に、新刊著者をゲストに招いたトークイベント、早起きの習慣化を身につけるプログラムの朝渋KNOCK、あとは月4回の新刊イベントを全国で視聴できる朝渋オンライン。この3つを主軸としています」と井上さん。
「早起きが目的ではなく、早起きをした先に“一人ひとりが自分らしい人生を歩んでほしい”というのが、活動を通して伝えたいこと」と声を大にします。
井上さんは幼少期から早寝早起きで、なんと大学生のときまで夜10時に寝て朝5時に起きるという規則正しい生活を徹底していたそう。そんな生活サイクルが就職を機に一変し、「10時に出社して終電で帰るみたいな生活になって……“社会人って、こんなに夜型なの!?”って衝撃があった」と振り返ります。
夜型の生活に切り替わってからというもの、「全然(仕事の)成果も出ないし、生きている感覚がなくて」と当時の気持ちを告白。そこで“生活習慣を朝型にしよう!”と思い立ち、「いろいろな人を巻き込んで、朝型に変えてから成果が出始めた。そして、ひょんなきっかけで『朝渋』を立ち上げることになって、現在は、“朝活”を広げるべく活動しています」と経緯を説明します。
ハヤカワさんが参加者の反響ぶりを尋ねると、井上さんは「“早起きがしたいからイベントに参加する”というよりは、ハヤカワさんにも新刊のトークイベントにご出演いただいたように、“ハヤカワさんの話が聞きたい!でも、朝のイベントなんだ……”という感じで、みんなは渋々朝にきていると思うんです」と実感を語ります。朝のイベントに100人前後の人たちが参加している光景に「“えっ、朝からこんなに活動的なの!?”って驚かれるほうが多い」と言います。
また、普段の通勤では乗らない早朝の時間帯に乗り、「朝渋」のイベント会場に足を運ぶことで、「“朝6時台の電車って、こんなに空いているんだ!?”っていうところからイベントの体験は始まっている。イベントの最初は眠そうだった人も、帰り際には“朝からこんなに学べる機会があるんだ!”」といったさまざまな気づきがあるのだそう。2016年9月にスタートした「朝渋」は、2020年8月現在、約160回に及びます。
朝活で「社内からも認められるようになった」
井上さんは、今年で社会人6年目。ずっと朝型の生活スタイルだったこともあり、「社会人1年目のときは10時出社に耐えられなくて……。朝型だったので16時ころにはもう使いものにならないんです。逆に夜型の人はそれからアクセルを踏み始める感じで」と振り返る井上さん。生活サイクルの違いから思うように成果が上がらないことに危機感を感じ、入社から3カ月経ったころに、直属の上司に相談。朝7~8時に出社する代わりに定時の19時で帰らせてもらえることとなります。
「朝7~8時に出社して、自分にとって一番大事なタスクをガッとやって。(みんなが出社する)10時にはもう仕事が半分くらい終わっているんですよ。1年目なので(上から)あれやれこれやれと差し込みの仕事が入ってくるんですけど、朝型に変えた瞬間に『オーケーです!』と受けられるようになって、16時には、いつも8割くらいの仕事が終わっているような状態になった」と仕事上の変化を振り返ります。
そんな井上さんの変貌ぶりに、「社内からも認められるようになった。それが1つの成功体験となって、“朝型の生活リズムのほうが自分には合っているんだ”とわかった」とあらためて実感。
次に転職したプログラミングスクール「テックキャンプ」を運営するdivでも、まわりは夜型の人たちだったものの「僕が朝7時くらいからオフィスを開けて仕事しているのを見て、“どうやら朝活がいいらしい”と会社の雰囲気も変わってきて、社長や何人かもやってみたら“すごくいい”ということで10時出社が9時出社になった。そこから会社も伸びていって……これも成功体験でしたね」と目を細めます。
約2年間、会社員として仕事をするかたわら、自身のライフワークとして「朝渋」の活動をしていくなかで、井上さんの心境にも変化が。「ニ足の草鞋を履くのもいいけれど“挑戦がしたい”と独立することにした。もちろん本業も楽しかったですけど、自分で選択して自分で行動することは、ストレスが少ないことに気づいた」と当時の心境を語ります。
withコロナ時代に大事なことは?
続いてトークは、井上さんが朝活を通して見据える先について。現在、北海道から沖縄まで全国約400人のコミュニティで活動するまでの規模になったそうですが、「400人じゃ、まだまだ日本の朝は変えられない。直近、この3年間でメンバー1万人という目標を掲げている」と胸を張ります。
そしてそれは、ともに活動するメンバーや参加者だけでなく「(トークイベントの)ゲストさんにもしっかりと還元していきたい思いがあって。例えば、本を出して『朝渋』に出演したら、本が1000冊売れるみたいな。僕も読書で救われたことがたくさんありますし、社内だけでなく社外でどう学びの場をつくっていくか、ということも1つの大きなテーマだと思っています。“世の中を前向きにしていきたい”という思いから、本を読む人、朝型の人を増やしたい」と語ります。
withコロナ時代の「朝渋」のあり方については「いままでは渋谷でやっているイベントを中継して、それを全国の人たちが観るという形だった。でも、いまはすべてのイベントを“オンラインでの開催”に切り替えているので、Zoomでチャットやアクティブな行動を起こしやすくなっていて“参加型のイベント”になってきている。そこはめちゃくちゃ可能性があるなと感じているので、いま突き詰めているところ」と言います。
最後に、ハヤカワさんが“野望”を問うと、「出社までにどれだけ自分の余白の時間をつくるかが、withコロナ時代は大事になってくる。読書でも、瞑想でも、ランニングでも……準備運動のような形で、仕事に行く前に一旦脳をリセットする。そこから仕事に向かうことがスタンダードになると、みなさんの可能性をより引き出せるのではないかと思っています。一人ひとりの持っている能力を引き出すための朝活を提唱していきたい」と力を込めていました。
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<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm
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