米ツイッター社は、広告主の商品・サービスに関心の高い層に訴求する新しい広告商品を日本で展開する。インターネット広告で主流のクリックや表示回数による課金にとどまらず、「フォロー数」やお気に入り、リツイートなどのユーザー行動を「エンゲージメント」として課金対象にしたことが特徴。米国を皮切りに昨年から順次導入してきたが、日本でも本格展開する。
具体的には、人気のキーワードが掲載されるトレンド欄の最上位に特定ワードを掲載できる「プロモトレンド」、おすすめユーザー欄の最上位に広告主アカウントを表示する「プロモアカウント」、ツイート(つぶやき)を多くのユーザーに見せるために検索結果の最上位やタイムライン上に表示する「プロモツイート」の3つ。
「プロモトレンド」は、時事性のあるキーワードや広告キャンペーンを展開しているブランド名などをキーワード指定してトレンド欄に掲載し、ユーザーがクリックすると検索結果の最上位に広告主のツイートが表示される。世の中で話題となりそうなキーワードであるほど情報が拡散し、効果を発揮する仕組み。掲載は1日単位で1社・団体に限定。国別にターゲティングでき、日本国内の1日の掲載料は420万円。
「プロモアカウント」は広告主アカウントのフォロワー(継続購読者)を増やすために使われ、広告主アカウントと類似したアカウントをフォローしているユーザーを選んで広告を配信する。広告料金は「コストパーフォロー」(CPF)と称し、フォロー1件ごとに発生する。単価は最低40円で入札によって決定される。
「プロモツイート」は、特定ツイートを関心の高そうな多くの人に見せる目的で利用するもので、検索結果ページの最上位に表示されるものと、ユーザーのタイムラインに表示されるものがある。広告料金は「コストパーエンゲージメント」(CPE)と称し、エンゲージメントにはクリック、お気に入り、リツイート、返信が含まれる。掲載は入札によって決定し、最低単価は10円。
これらの3商品は「プロモ商品」と称して、ツイッターの収益化の基盤として世界中で販売強化する。今年1月から稼働しているツイッター社の日本法人「Twitter Japan(ツイッタージャパン)」にセールス担当を置き、販売は広告会社が行う。日本独自で展開しているバナー広告については、引き続きデジタルガレージが窓口となる。
ツイッター社は興味・関心に沿って配信するこれらの広告商品を「100%オーガニック」と掲げる。「『人工的でない』『体にやさしい』といった意味だが、ユーザーにとって情報として有益な広告を提供していく」(ツイッタージャパン・葉村真樹氏)。同社は日本でのサポート体制や広告事業強化のため、セールス含めスタッフの採用を強化する。