コロナ禍でカスタマージャーニーを見直す
新型コロナウイルスのパンデミックにより、お客さまの意識が健康や自宅での過ごし方に向かう中、江崎グリコの企業理念「おいしさと健康」を実現するため、デジタルテクノロジーをベースにお客さまとのコミュニケーションを構築しています。
以下に個々のコンテンツやアプリの充実に向けた取り組みを紹介していますが、前提として、まずお客さまのオンライン行動特性を理解することが重要です。
江崎グリコでは、お客さまのWeb回遊やネット購買などの情報は、自社で構築したデータマネージメントプラットフォーム(DMP)で一元管理しています。お客さまの行動から現状の課題を明確化し、顧客体験を向上させるためのWebページ改善や動線改善につなげています。
この中で取り組んできた個々の取り組みについて、ご紹介していきます。
ファンコミュニティサイトの刷新とコーポレートサイトのコンテンツ拡充
当社では、お客さまのココロとカラダの健康を支援するため、2020年6月、ファンコミュニティサイト「(旧)グリコクラブ」を、名称も「with Glico」として、全面的にリニューアルオープンしました。
街をモチーフとし、健康に重要な「運動」「栄養」「休息」に関する情報を発信しているほか、それらに関わるイベントやセミナーも多数開催しています。会員登録は無料で、会員はコミュニティに参加すると「ハート(ポイント)」を獲得することができます。
そしてこの「ハート」を使って、景品やイベント応募権などを得ることができます。この12月にも、モータースポーツイベントの世界三大レースのひとつ、「インディアナポリス500(インディ500)」で今年2度目の優勝を飾った佐藤琢磨選手とのファンミーティングを開催し、実施後のアンケートでは参加者の95%以上が満足と回答頂きました。
弊社のブランドである『パワープロダクション』について言及いただきつつ、トップアスリートならではの体調管理に関するアドバイスをお話しいただきました。この様にコロナ禍で健康意識が高まる中「with Glico」が果たすべき役割は極めて重要となっています。
コーポレートサイトにおいては「おいしさと健康ニュース」というコンテンツを新設。コロナ禍におけるGlicoの活動や健康情報、「with Glico」で行われた健康オンラインイベントやセミナー情報などの最新トピックスを掲載し、お客さまとのコミュニケーションを深めています。
アプリで子育て世代や子どもたちとコミュニケーション
江崎グリコではWebサイトでの情報発信に加え、スマートフォンアプリも活用して幅広いお客さまとのつながりを持とうとしています。以前の記事でご紹介したCo育て(こそだて)アプリ「こぺ」は「妊娠からはじまる1000日間」をサポートしており、ニューノーマルのなかでのターゲットニーズに寄り添う取り組みを続けています。
家事・育児を共有・管理できる新機能「To Do ボード」や医師監修の「睡眠コンテンツ」を新たに追加し、ココロとカラダの健康に関して健康無料電話相談サービスも有しています。健康無料電話相談サービスは、管理栄養士や助産師、臨床心理士などと直接電話で話すことができ、相談員が必要と判断した場合は、19分野・250人の専門医師からアドバイスを受けることができます。
もうひとつのアプリは、小学校低学年以上を対象とするプログラミング教材「GLICODE®(グリコード)」です。創業以来、子どもたちの健やかな成長を願ってきた江崎グリコは、教育水準向上を意図して、おいしいおかしを食べながら楽しく遊び、学ぶことができるスマートフォンアプリ「GLICODE®」を開発・提供しています。
ポッキーをルールに従って並べるだけで、誰でも手軽に、遊びながらプログラミングの基礎的な考え方を学習できるようになっています。各種のステージをクリアすることで、課題解決の手順を論理的に導き出す思考力を育むことができるため、多数の小学校でご活用いただいております。
特に今回コロナ禍で休校や外出自粛が続く中、お子さまの学習や家での過ごし方に悩みを抱えるご家庭の役に立つことができました。さらに、プログラミングに興味を持つお子さまが自らステージを自由に設計・共有できる「GLICODE MAKER」のリリースも、現在準備しています。
このようにDMPによりお客さまのデジタル上の動きを把握しながら、健康や自宅での過ごし方に意識が向かうこのコロナ禍で、江崎グリコができることを探っています。
私たちの企業理念「おいしさと健康」を実現するために、あらゆるデジタルテクノロジーを駆使しながらお客さまとのコミュニケーションをさらに深くし、個々のお客さまに満足いただける商品の開発・提供を今後も目指していきたいと考えています。
江崎グリコ 代表取締役 専務執行役員
江崎悦朗
2004年江崎グリコ入社。マーケティング部を創設し、初代マーケティング部長に就任。その後マーケティング本部長を経て、現在は海外事業を牽引。さらに、経営戦略、コーポレートコミュニケーション、IT戦略などを管掌。