可変性のあるチーム編成デジタルのみ、SNSのみの発信も
集英社では2019年、編集者の持つ力を課題解決に変える「集英社エディターズ・ラボ」を設立した。この組織の強みは、多くの編集長経験者を含む「エディター」がソリューションを広告主に対して直接、企画・実行していくことにある。同組織は、2013年に立ち上げた「コミュニケーション・デザイン室」が基点。
「当時は編集長経験者の限られたメンバーで構成されていましたが、今回は全11の編集部から選ばれた課題解決力が高いメンバー1名ずつと、編集長経験者を4名加えた計15名で構成しました。雑誌ブランドを活用した企画だけでなく、案件に合わせた様々な専門分野を持つ編集者がチームを組んで課題解決にあたっています」と広告部の田邊氏は話す。
取り組み事例は、集英社が強みを発揮するファッションやビューティー関連の企業にとどまらない。たとえば東レの使用済みペットボトルを資源とした新繊維「&+™(アンドプラス)」のブランドサイトコンテンツ制作。BtoBとしてスポーツブランドやラグジュアリーブランドへの訴求に加え、サスティナビリティやSDGsに敏感な、いわゆるZ世代に向けたBtoCのコミュニケーションを図り、会社のブランディングを行いたいという依頼を受けての企画だ。
ラボに限らず各編集部で手掛けるソリューション案件も多く、デジタルやSNSのみの事例も増えている。12月実施の高校バスケットボールの祭典「ウインターカップ2020」では、『Seventeen』専属モデル5名によるオフィシャル応援団を結成。
本誌への掲載はなく、大会出場チームへの取材や試合の観戦レポートを『Seventeen』の公式Twitter、公式Instagram、公式アプリ「ST Channel」で発信するというタイアップだ。
「読者にとっては、まだ遠い企業や商品を読者の文脈を理解したコンテンツで接点をつくれる点に期待をされているのではないか」と田邊氏。
こうした展開として、2019年ラグビーワールドカップの際に制作した“にわかファン限定”と銘打つラグビー応援Webマガジン「楕円球LOVE!」では、ポジション別相性診断、ボーダーを取り入れたコーディネート提案など、各ブランドの得意分野を取り入れたコンテンツを制作した。
「大切なのはお客さまの真の課題を引き出して満足いただくことです。
雑誌ブランドを活用し各世代別の発信はもちろんですが、嗜好性の軸でも企業のファンづくりの相談に対応していきたいと考えています」(田邊氏)。
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