モデル、漫画家、編集者…人を育てる出版社ならではの多角的な発信

デジタルシフトが加速するなか、雑誌の価値が再認識され、コンテンツの源流となる「人」にスポットが当たるようになっている。集英社 広告部部長の田邊 泰氏に出版社だからこその人の資源について話を聞いた。

発信方法は変わってもつくる力は変わらない

これまで集英社では『Seventeen』や『MEN’S NON-NO』などのオーディションを通し、テレビや映画でも活躍する多くの俳優やモデルを輩出してきました。今年35回目を迎えた「メンズノンノモデルオーディション」では新たにTikTok上でもエントリーや投票ができる「TikTok賞」を設け、フォロワーが290万人もいるインフルエンサーが選ばれました。この賞の選定基準は、動画やSNSでの表現力があるかどうか。

これまで多くの俳優を輩出してきた、本オーディションの立ち位置に変わりはありませんが、時代に合わせて新しい発信方法や価値観を取り入れながら、変化していく必要があると考えています。

また、『週刊プレイボーイ』公式YouTubeチャンネルの登録者数は現在約42万人ですが、今後はタイアップのメニューもリリース予定です。

そして当社では雑誌だけではなくアプリも含め、多数の漫画家の皆さんに連載をいただいているコミック誌を擁しています。

たとえば『ヤングジャンプ(YJ)』40周年と「サントリーBOSS」のタイアップ企画として、WEBムービー「写植一筋40年、ヤングジャンプと生きる男」を制作しました。これは「BOSS」の「働く人を支える」という世界観から着想を得た企画で、40年にわたって『YJ』の写植を担ってきた方にスポットをあて、彼の仕事や人柄を伝えるというもの。

『YJ』連載作品のコマが裏地にプリントされた「読むボスジャン」プレゼント企画や、ローソン店頭キャンペーンなど、誌面を超えた広がりをみせたこの企画は、今年度のACC TOKYO CREATIVITYAWARDSでブロンズを受賞しました。

徐々に編集者自身のキャラクターが注目を集めることも増えています。『SPUR』の元編集長で一人旅のガイドブック「ひとりっぷ」全4巻を執筆した福井由美子は“ひとりっP”とよばれ、トークショーでは何百人というファンが殺到。彼女がプロデュースしたレスポートサックとのコラボバッグも、第1弾は即完売しました。

新たなライフスタイルの提案も含め、非常に訴求力のあるコンテンツです。

新たな取り組みとして、大学や専門学校との連携も増加。中高生にとって身近な存在として接点を創れる、堅苦しくないプロモーションの手法として、活用いただいているようです。

これまで真摯に雑誌をつくってきたからこそ、この先も、人やそこから生み出されるコンテンツを生かしていくことができる。発信の手法が変わっても、編集者の持っているクリエイティブや先を見る力、コミュニティ、ユーザーとのエンゲージメントの深さは変わりません。誌面にとどまらない、当社のメディアに載ることのない仕事でも、その想いは連綿とつながっていると考えています。

集英社
広告部 部長
田邊 泰 氏

 

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