【調査背景】
この頃、食料品・サプリメント・シャンプー・衣料品などに広がりを見せている「パーソナライズ商品」。
ウェブサイトや店舗での診断を基に、複数パターンある商品の中から顧客1人1人に合った商品を提案するパーソナライズ商品は今後も増えていくことが予想されます。
このパーソナライズ商品は、D2Cとも非常に相性がいいと言われており、実際に成功を収めているD2Cブランドも出てきました。
今回はパーソナライズ商品に関して、購入する生活者の実態を調査データと共に紹介します。
【調査概要】
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
期間:2021年6月22日(火)~2021年6月25日(金)
調査対象:「パーソナライズ商品」を知っている人
有効回答数:964名
割付:パーソナライズ商品の購入経験と、20代~60代までの性年代別で割付
パーソナライズ商品の購入経験別、性年代別の結果はコチラからダウンロードしてご覧ください。
パーソナライズ商品、インターネット広告、SNS経由での認知が目立つ
昨今、パーソナライズ商品を扱うブランドがマス広告を出稿したり、テレビ番組で取り上げられたりなど注目を集めています。
その一方で、インターネット広告経由で知ったという方が半数以上と、認知経路として主要な役割をはたしていることがわかります。
従来のインターネット広告というと、刈り取りメインの広告が多かったのではないでしょうか。
ブランディング活動を中長期的活動として行う一方で、目の前の売上を立てるために刈り取り型のデジタル広告でコンバージョンを獲得していく。
しかし今回の調査結果を見ると、デジタル広告を刈り取りだけでなく、ブランドの世界観を体験してもらうコミュニケーションにつなげていることが伺えます。
また、企業、インフルエンサーのSNS投稿、そしてUGCが認知きっかけとして重要だということも改めて確認できます。
D2Cビジネスでは、ブランドの世界観を伝えるSNSは特に重要だといえるでしょう。
パーソナライズ商品の現利用者、他者の意見を受け入れる傾向あり
パーソナライズ商品を購入し、継続して利用している人にはどのような特徴があるのでしょうか。
上のグラフは、パーソナライズ商品を継続利用している人と、パーソナライズ診断の経験もない人を比較したものです。
全体的に、パーソナライズ商品の継続利用者は他人からのアドバイス、誰かのレビューや感想というものを参考にする傾向があるといえます。
普段の行動についても、誰かのお勧めを参考にしたり、人が選んでくれたものを好む傾向があること、そして自分が気に入った商品について他の人に推奨する傾向が強いことがわかりました。
パーソナライズ商品の満足度
パーソナライズ商品を購入し使用した人は、どのように評価しているのでしょうか。
現在も使用している人の満足度は9割強と非常に高くなっていますが、継続利用をやめてしまった人の満足度も約8割と、一度利用した人のうち大半は商品に満足をしているということがわかりました。
商品自体に満足してはいるものの、継続購入するのをやめてしまった理由が別にあるようです。
パーソナライズ商品の気に入っている点については、「自分に合っているところ」が最も多く、次いで「特別感があるところ」「人と被らないところ」が挙がりました。
自分専用・差別化・特別感といった点がパーソナライズ商品が支持を集めているポイントなのでしょう。
パーソナライズ商品の課題
利用をやめてしまった理由・診断はしたけれど購入しなかった理由については「価格が高かったから」が最も多く4割強、それに次いで3割弱の方が「パーソナライズされていると思えなかったから」と回答しています。
自由記述の回答でも、金額がネックとなり継続を断念したという理由が挙がり、一度診断した結果をもとに同じ内容の別商品・類似する商品に切り替えた方が安い、という意見もありました。
「パーソナライズ」という性質上、同一カテゴリの他ブランドと比較すると高単価になる傾向にあります。
問題は、一度その価格差を受け入れ購入した生活者に、継続購入させるだけの価値を感じてもらえているのか、ということです。
マーケティングに優れたブランドであれば、初回の購入はしてもらえるでしょう。しかし継続的に購入してもらうには、その商品の提供価値が厳しく問われることになります。
商品に満足しているにも関わらず利用をやめているとしたら、今の価値提供では不十分だということでしょう。
まとめ
パーソナライズ商品を購入している人は、商品購入時に他の人からのアドバイスを受け入れ、またレビューなどを非常に重視する方だということがわかりました。
また、一度パーソナライズ商品を購入した人は、継続利用をやめた人も含めて、満足している人が多いことも確認できました。
では、より継続的に利用してもらうためにはどうすればいいのでしょうか。
そのカギは、いかに「自分だけの商品だ」と思ってもらえるか、パーソナライズ体験の価値向上と、ブランドのファンになってもらえるかだと考えられます。
ここにパーソナライズ商品ブランドが考えるべき、顧客との向き合い方のヒントがあるのではないでしょうか。
パーソナライズ商品の購入経験別、性年代別の結果はコチラからダウンロードしてご覧ください。
株式会社ネオマーケティング
マーケティンググループ
URL:https://neo-m.jp/solution/web/dtoc/