OOHは街の多様さに寄り添い、行動を喚起するもの――Metro Ad Creative Award 2021 リレーコラム

メトロアドエージェンシーと宣伝会議が企画・運営する「第5回Metro Ad Creative Award」が10月6日から募集を開始します。
5回目を迎えた2021年のコラムテーマは「多様性」。OOHは、さまざまな思い、さまざまな価値観を持つ人々が共にする空間をメディアとして、メッセージを発信します。再び賑わいを取り戻そうとしている街や交通機関を行き交う人々は決して同質ではなく、それぞれのバックグラウンドがあります。このリレーコラムでは、そんな場をメディアとしている、OOHならではのコミュニケーションについて、つづっていきます。第1回の担当は、メトロアドエージェンシーの鈴木惇朗氏です。

コロナ禍におけるOOH広告

2020年から猛威を振るい、未だ収束の目途が立たない新型コロナウイルス感染症。最近では感染力の強い変異株も流行し、人々が以前のように何も気にせず外出できるようになるまでには、まだ時間がかかりそうです。

コロナ2年目となった2021年の夏、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されました。一時は中止も検討されましたが、結果的には無観客での開催となり、日本人選手も数々の好成績を残すことができました。「もしコロナがなければ、東京には国内だけでなく海外の人々も溢れ、街がより活気づいていたのかな」なんて考えることもあります。期間中、東京にはオリンピック・パラリンピックや、それに関するイベント・商品などのOOH広告がたくさん出ていました。

オリンピックに関わらずOOHは、人々の生活するリアルに存在し続けています。私たちが管理する東京メトロの駅や電車内の媒体にも広告が掲出され、さまざまな人が日々利用する生活の場を包み込んでいます。

新型コロナウイルスという〈危機〉が浮き彫りにした、OOHの役割や魅力について、改めて考えてみましょう。

アフターコロナへ、OOHの役割とは

例えば今年7月、オリンピックの文化プログラム「オリンピック・アゴラ」の広告が銀座線のレトロライナーをジャックした事例があります。こちらはオリンピック文化財団のオフィシャルパートナーである三井不動産さまによる特殊広告展開です。

車内のポスターやビジョンすべてを貸し切った広告展開は、電車内という人々が利用する日常的な空間を、昨日までとはまるで異なる、オリンピックの伝統や文化を彷彿とさせる異空間へとつくり変えました。この電車に偶然乗り合わせた人はインパクトのある異空間を体験し、中には「オリンピック・アゴラに行ってみよう」「『すごい電車に乗った』ということを、友人に共有しよう」といった感情が生まれた人も多かったことでしょう。

この展開のように、OOHは「人々の感情を生み、行動を喚起する」という広告の本質を、不特定多数の人々へもたらすことができるのです。

街にはさまざまな人が行き交っています。
地元出身の人、引っ越してきた人、海外出身の人。
若い人、年配の人、生まれたばかりの人。
仕事をする人、遊びに行く人、勉強中の人、買い物をする人。
嬉しい気持ちの人、楽しい気持ちの人、悲しい気持ちの人、悩める人。

OOHは、特定の場所へ行けば誰もが同じ広告を見ることができるメディアです。しかし、その同じ場には、異なる思想や目的を持った人々が集まっていて、同じ空間で同じ広告を見ていたとしても、感じ方やとらえ方もまた、見ている人によって異なります。それはきっと、コロナ禍においても変わらなかったはずです。仕事で外に出ることが不可欠だった人、買い物に行く人、気晴らしに散歩している人、等々。

収束後は、以前のように誰もが何も気にせず外出できる東京になっていることを願っています。きっと今以上にさまざまな人が街にあふれ、それぞれの思いをもって行き交うことと思います。広告の解釈も多様化し、想像もつかない行動起点の一つとしての役割をOOHは担っていくでしょう。

リアルな場で誰もが同じものを目にすることができるメディアであり続けるとともに、多様な感情や行動の起点となること。そしてその多様性に寄り添うこと。

それがOOHの役割であり魅力である、と私は改めて考えます。

OOHのさらなる可能性へ、Metro Ad Creative Award 2021

そして、そんなOOHの可能性を交通広告でさらに広げたい、今までにないアイデアと出会いたいという目的のもと開催している「Metro Ad Creative Award」。今年で5回目の開催です。

「Metro Ad Creative Award」はどなたでも応募できる、公募型のアワードです。
まだ見ぬ自分の才能を開花させるチャンスかもしれません。そして我々も知らなかったOOHの新たな魅力や可能性に出会えることを、非常に楽しみにしています。
たくさんのご応募お待ちしております。
 

メトロアドエージェンシー
媒体本部 媒体販売局 車両メディア部
鈴木惇朗

メトロアドエージェンシー入社より、車内ビジョンや広告貸切電車の商品企画、販売・管理などを担当。今回5回目の開催となるMetro Ad Creative Awardの運営に携わる。

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