広告業の2022年1〜3月の売上高は、前年同期比104.9%の1兆5843億5800万円となった。20年同期比は93.7%、19年同期比は95.6%で、コロナ禍前の水準には届かなかった。テレビは1月、2月と価格指数も低い。インターネット広告は伸びが続くものの、ほかの項目の埋め合わせまでには至っていないようだ。経済産業省が「特定サービス産業動態統計調査」として5月13日に発表した。
22年3月単月の速報値では7524億7900万円で、直近5年間で最も高くなった。インターネット広告が堅調に伸び続けているほか、特にSP・PR・催事企画が前年同月比169.2%増の1581億6900万円と全体に貢献した。3月だけ見れば4マスメディア広告と同規模となった。
3月の4マスメディアは前年同月比94.8%の1618億4200万円だった。4マスの構成比8割を占めるテレビは同比95.9%の1286億5900万円で、下降要因となった。
インターネット広告は前年同月比103.7%の1521億2000万円だった。2019年12月以来、27カ月ぶりに1ケタ成長となった。17年1〜3月から22年1〜3月までの四半期平均成長率は3.7%。4マス広告はマイナス1.1%で、このままの傾向が続けば、23年1〜3月には逆転する可能性も出てきた。
日銀が算出する企業向けサービス価格指数の、2022年2月の速報値はテレビが99.1、ネットが114.3。5年前の17年2月確報はテレビが113.6、ネットが115.7だった。テレビは価格指数が低下傾向で、1月から2カ月続けて100を割った。
売上高でみたときの17年同月の増減率はテレビが87.4%で、ほぼ価格由来とみられる。一方、17年から価格指数が微減の同じネット広告は、売上高では212.1%のため、本数が大きく伸びていることが伺える。
常用の従業員数は2017年1〜3月以来、20四半期ぶりに5万人を割り込み、4万9886人となった。1人あたり売上高は17年1〜3月期が約3360万円、22年1〜3月期が3180万円と低下した。