ウォンテッドリーは、6月1日の就職活動解禁に合わせ、「企業のパーパスと採用に関する調査」の結果を発表。求職側と採用側から合わせて1340人(求職者1182/採用担当者158 )が回答。求職者側の調査では、パーパスを重視して入社する人が、直近5年間で倍増となり、採用者側では、採用時にスキルよりもパーパスへの共感度合いを重視することがあると32%が回答するなど、採用においてのパーパスの重要度があがっていることが伺えた。
求職者のパーパス重視は5年で倍に
現職の企業へ入社したときにパーパスを重視した度合いについては「かなり重視した(26%)」「そこそこ重視した(44%)」「あまり重視していない(20%)」「全く重視していない(10%)」となり、重視したという回答は合計70%という結果に(図表①)。職種別では「かなり重視している」のトップ3は経営企画(49%)、カスタマーサクセス(33%)、プロダクトマネージャー(30%)だった。
入社タイミング別で比較すると、 パーパスをかなり重視して入社する人は年々増加し、2017年の18%から2022年の36%へと倍増した(図表②)。
パーパスの共感がモチベーションに関係
今の仕事に対するモチベーションが「とても高い」と回答した人について、パーパスへの共感度合いを元に比較すると、「かなりしている」で40%、「全くしていない」で7%と、5.7倍の差が生まれた(図表③)。
モチベーションが「とても高い」+「まあまあ高い」の合計で比較すると「かなりしている」で88%、「全くしていない」で35%と、2.5倍の差が生まれており、パーパスへの共感度合いとモチベーションの高さの相関関係が示唆される結果となった。
また、採用担当者側126人からの回答でも、パーパスへの共感性を重視して採用した人の特徴については「仕事に対するモチベーションが高い(63%)」「会社への貢献度が高い(50%)」「使命感が強い(44%)」「短期間で離職することが少ない(37%)「情熱的(27%)」と、モチベーションの高さを実感するとの声がうかがえた。
採用担当者8割が「選考時パーパスを重視する」と回答
採用担当者側に聞いた、「パーパスを定義しているか」の問いには、80%が「定義している」と回答。パーパスを決定した背景トップ3は「創業時から決定していた(48%)」「組織作りに活かすために(48%)」「採用活動に活かすために(21%)」という結果だった(図表④)。その後はコロナ禍に関連した背景が続いた。
選考時のパーパスの重視度合いについては「非常に重視している(44%)」「ある程度重視している(43%)」「あまり重視していない(10%)」「全く重視していない(3%)」となり、重視しているという回答は合計87%という結果となった(図表⑤)。
その中でも、スキルよりもパーパスへの共感度を重視すると回答した中には、「スキルは身につけるものであって、スキルを身につけられる力、素養があるかを判断している」(IT企業、創業10年以内、東京都)、「スキル要件に満たない方が選考に参加されている場合でも、パーパスへの共感度が高ければその後の成長や組織への貢献が増大すると考えている。具体的には最終面接時に2時間をかけて擦り合わせをする」(IT企業、創業11~30年、新潟県)、「特に新卒採用においてはそのようにしている。中途採用でも20代の第二新卒のような人材は、あまりスキルは問わず、パーパスへの共感度の方を重視している」(教育系企業、創業31~50年、東京都)との声が寄せられた。