福島民報社は、7月30日に年間を通した防災啓発アクション「365日の防災」を開始した。
本アクションは8月1日に創刊130周年を迎えるにあたり、企画したもの。具体的には、7月30日の朝刊から毎日、紙面に「365日の防災欄」を掲載。テーマを変えながら住民や専門家、新聞社などの知見を踏まえた教訓を、紙面やTwitterなどのSNSを活用し、発信している。
「創刊130周年にあたって、未曾有の複合災害を経験した福島県の地方紙として県民に対して防災を考えるきっかけを作りたい、と声をかけていただき、民報のみなさんとの企画が始まりました。これまでも『夜の避難訓練』や『おみやげ防災』などの特定のモーメントに向けて防災アクションを発信してきましたが、本当に大事なのは″毎日災害が起こる可能性を忘れないことではないか?″との気づきから、『365日の防災欄』のアイデアにつながりました。新聞は、毎朝家庭に届く唯一のメディア。昨日のニュースを届けるだけじゃなく、地域の今日や明日を守るためのニュースを届けることは、きっと新聞のあたらしい役割でもある。新聞という媒体にとっても、いい挑戦とはなにかを考えながら、企画しました」と、クリエイティブディレクター・アートディレクター 熊谷由紀氏。
7月30日から毎朝、「避難指示が聞こえない豪雨災害の恐ろしさとは?」「夏休み、家族で作ろうマイ避難シート」「自宅ではどのぐらいの備蓄が必要でしょうか」「水害にあった場合初期の注意点は?」など、100文字程度の文章で防災に関する情報や知見を伝えている。
「東日本大震災や、新潟・福島豪雨による水害など、福島で災害が起こる度に、被災者への取材を重ねてきた福島民報社員の方々。その膨大な生の経験の声を改めて掘り起こし、生活者が見落としがちな災害リスクや、足りていない災害への備えを防災知識として発信し、日々気づきを与えていきます。
また、地震、津波、豪雨、大雪、など多岐にわたる災害を扱い、365日、季節やタイミングに合わせた啓蒙も試みたいと考えています。最終的には、365日分の防災記事の積み重ねが、あらゆる災害や状況に備えた日本の防災知見の集積として後世に続くナレッジになればと思っています」(プランナー 長島龍大氏)
この企画がスタートした7月30日は、ちょうど11年前に新潟・福島豪雨で甚大な被害を受けた日。例年、民報紙面で防災“特集”を掲載するこの時期をあえて選択したという。当日には「防災特集、やってる場合か。」というキャッチコピーで、15段の新聞広告も出稿した。
「明日何が起きてもおかしくない毎日の中で、特別な日だけ防災を呼びかけるのではまだまだ足りない。毎日届けられる新聞だからこそできることとして、毎日の防災“欄”を設けるという、特集よりも一歩先のアクションを示すならば、こういう日から変えていきたい。15段に大きく掲載した『防災特集、やってる場合か。』のキャッチコピーにはそんな思いを込めています。
毎日届く新聞の情報で、誰かの命を守れるかもしれない。その可能性を信じて、一人でも多くの方が注目を向けてもらえるような始まりを目指したかった。福島を被災県から防災県へ、その一助となることを願っています」(コピーライター 三浦麻衣氏)
同社では、防災に関する新たな取り組みなどを積極的に取材、掲載して紙面を充実させると共に、関連記事には統一ロゴマークを入れ、「365日の防災」と一体となったキャンペーンを展開していく考えだ。
スタッフリスト
- 企画制作
- 福島民報社+電通+シカクデザイン
- CD+AD
- 熊谷由紀
- 企画+C
- 姉川伊織、三浦麻衣
- 企画
- 長島龍大
- 記事執筆
- 羽田朋彦(福島民報社)
- CPr
- 阿部浩二
- D
- 浦口智徳
- メディアPr
- 山下高範