ウェルフォード・ディラード氏(Wellford Dillard)
CMグループ CEO
ソフトウェア業界で15年以上の経験を持ち、CM Group以前にも、OPower社(OPWR:Oracleに売却)、GetWellNetwork社(Welsh、Carson、Anderson、Stoweに売却)など6社で最高財務責任者(CFO)を歴任。ソフトウェア業界で経営幹部を務める以前は、経営コンサルティング、投資銀行業務、株式調査などに従事。メリーランド大学MBA取得、メンフィス大学ファイナンス(金融学)学士号取得。
チーターデジタルと合併 あらゆる規模の企業へ対応が可能に
― CMグループの事業概要について教えてください。
私たちCMグループは、2017年に設立した、リレーションシップマーケティングに特化したテクノロジーを提供する会社です。本社は米国テネシー州ナッシュビルにあり、その他に米国内のインディアナポリス、ロサンゼルス、ニューヨーク、ピッツバーグ、サンフランシスコなどをはじめとして、計10の拠点を持っています。米国以外ではオーストラリア、英国、ベルギー、フランス、ニュージーランド、ウルグアイで事業を展開しています。
当社ではこれまでも世界のマーケターと、彼らの顧客との良好な関係構築にコミットするため、多様なMarTech企業を仲間として迎えいれてきました。現在のCMグループ傘下には、Eメールマーケティングにおいてソリューションを提供するCampaign Monitor、 Emma、Vuture、Liveclickerをはじめ、メディアを横断しながらも顧客ごとにパーソナライズされたコミュニケーションが可能なMAツールを提供するSailthru。そして、よりパーソナライズしたマーケティングコミュニケーションを可能にする顧客データプラットフォーマー Selligent Marketing Cloudがあり、顧客の規模、ニーズに合わせてマーケティング活動を支援しています。
そして今年2月にはロイヤルティマーケティングのプロフェッショナルであるチーターデジタルが企業のリレーションシップマーケティング活動をより良くしていくべく、新たなCMグループの仲間として加わりました。現在日本では、チーターデジタル製品のみを提供しています。
― なぜ今回、チーターデジタルと合併することになったのでしょうか。
現在、マーケターは顧客からの期待に応えるため、マルチチャネル及びオムニチャネルで対応可能なテクノロジーソリューションへのニーズを高めています。
私たちのグループは創業以来、リレーションシップマーケティングの中でも事業領域をEメールマーケティングに絞ってきました。しかし、先述のようなマルチチャネル化に伴う顧客のニーズの高まりを受け、事業領域を顧客エンゲージメント全体へ拡大することにしました。リレーションシップマーケティングや顧客との良好な関係性の構築において、エンゲージメントやロイヤルティの醸成はマーケターにとって最も重要なトピックのひとつだと考えているからです。
さらに、生活者のマルチメディア化/オムニチャネル化が進行している今、複数のチャネルを通じた顧客の獲得、エンゲージメントの創出、そしてそれを維持できるようなマーケティング・コミュニケーションを支援する必要があるとCMグループは考えています。
今年2月に合併したチーターデジタルは、まさにこの課題の解決に貢献してくれるパートナーになりうると考えました。チーターデジタルは1998年にメールマーケティングの領域で創業し、その後会社分割によって顧客エンゲージメントソリューション事業を展開する“新生チーターデジタル”となりました。米国を拠点に世界13カ国26オフィスを構え、日本においても2019年11月から同事業を展開しています。
私たちCMグループも創業以来、あらゆる規模の企業体のマーケターの方々にサービスを提供してきました。しかし、その中でも大企業のマーケターにご活用いただくソリューションには不足があることを課題として持っていたのです。チーターデジタルは、大企業から小売業まで多くのマーケターからの信頼が厚いプロバイダー。今回の合併により、世界的規模の大企業のマーケターにも提供できるソリューションをCMグループとしても備えることができました。
そしてこの合併は、現在CMグループが、あらゆる規模の企業の皆さまにソリューションを提供でき、お客さまの企業の成長に合わせて最もフィットする製品を提供できる環境を整えたことを意味しています。