地球の歩き方
出版編集室
池田祐子氏
地球の歩き方
出版編集室
由良暁世氏
本記事は販促会議2023年3月号からの転載記事です。
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読者のコアな年代層に注目 親和性の高い層にリーチ
──それぞれ、誰に向けた商品としてつくられたのでしょうか。
池田:『ムー』とのコラボ企画が立ち上がった一番の理由は、お互いの読者の親和性が高いと感じていたからです。実は『地球の歩き方』も『ムー』も1979年創刊なので、読者の年代は同じなんです。
学生時代にバックパッカーをやっていたとか、グラハム・ハンコック著『神々の指紋』を読んでいたような年代で、「好奇心旺盛で不思議なものに興味がある」という点で共通していました。そういった世代が大人になった今、改めて『ムー』や『地球の歩き方』に触れてもらい、ノスタルジーを感じてもらおうという狙いがありました。このようなターゲットの戦略に関しては、『ムー』編集部へコラボ企画を持っていく際に、かなりつくり込んで提案しました。
由良:『地球の歩き方 ジョジョの奇妙な冒険』の場合は『地球の歩き方』と『ジョジョ』、双方のコアなファンをターゲットにしました。コロナ禍で旅に行けなくても『ジョジョ』を通して旅気分を味わい、少しでも明るい気持ちになっていただきたい、という気持ちが強かったからです。
誌面デザインは『地球の歩き方』のセルフパロディのようになっていて、コアな読者であればそれとわかるデザインにしています。内容は『ジョジョ』に登場するスポットを網羅し、ファンならニヤリとするような要素を随所にちりばめています。『地球の歩き方』の強みは圧倒的な情報量と網羅性なので、細かい情報をたっぷり入れることで所有欲を掻き立てる一冊に。ファンの皆さまに納得していただけるよう、遊び心も加えながら丁寧につくりました。
Twitterを中心に情報が拡散 投稿にも読みたくなる工夫を
──認知拡大のためにどのようなことをしましたか。
池田:発信には有料広告をほぼ利用せず、Twitterを活用しました。発売の半年前から積極的に情報発信し、読者とのコミュニケーションを拡充。読者と一緒に本をつくるというのは『地球の歩き方』のスタイルでもあったので、コラボ本でも不思議な体験談を聞いたり、表紙案も人気投票で決めたりしました。その取り組みもあってか、事前予約の段階からかなりの数の予約を獲得できました。
発売後には、読者の方々が感想などを自発的に発信くださり、それを中心に情報が拡散。さらにそこからマスコミ各社が取り上げ、『地球の歩き方』や『ムー』を知らない方々にも認知が広がりました。
由良:『地球の歩き方 ジョジョの奇妙な冒険』も同様に、主にTwitterで情報発信をしました。7月発売に向け、4月1日に情報解禁をしたところ、「エイプリルフールのネタでは?」とファンの方を中心に世間がざわつきましたが、購入予約ページのURLを一緒にツイートすることで「これ本当なんだ!」と大きな盛り上がりをつくることができました。これが奏功し、予約の段階からAmazonの本の総合1位を獲得。告知ツイートには190万近いインプレッションがあり、どちらも『地球の歩き方』としては初の快挙でした。
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