「あのちゃん」が渋谷をジャック、Life CARDがZ世代に向けて16年ぶりに広告を開始

ライフカードは、2023年1月末日に新たなブランディング活動を開始。Webをはじめ、JR渋谷駅周辺での屋外広告、テレビCM、PRなどを順次展開し、特設サイトを公開した。

今回、同社が掲げたスローガンは「Life CARD 僕ら以上の僕ら。」。そのスローガンを象徴する存在として、広告のメインキャラクターとしてタレント・女優・モデルとマルチに活動するアーティスト あのさんが登場している。

実は、同社が広告を実施するのは、2005~2007年に展開したオダキリ・ジョーさん出演のCMシリーズ「カードの切り方が人生だ」(企画制作:TUGBOAT)以来、16年ぶりととなる。

「デジタルコンテンツで若者に向けてのブランディング広告を、というのが今回のオリエンでした」と話すのは、本キャンペーンのクリエイティブディレクター 山崎隆明氏。

「自分自身の若い頃を振り返りながら考えたのは、年配である僕らが『若い人ってこうでしょう』といかにもわかったふりしてはいけない。そして、若い人たちをステレオタイプに描いてはいけない、ということでした。大人が描く若者、ステレオタイプの青春ではなく、もっと若者が抱えるリアルな感情を内包するようなもので若さを肯定できたらいいな、と」

そこで広告以前にブランドのステートメントが必要と考え、山崎氏はコピーライター 児島令子氏にステートメントとコピーを依頼した。そしてできあがったのが、スローガンである「Life CARD 僕ら以上の僕ら。」と「僕のことをわかったふうに言うな。」から始まる一連のコピーだ。今回の広告の目的がブランド認知であることから、スローガンには「Life CARD」というブランド名がしっかりと入っている。

「今回意識したのは街に向かって言葉を投げる感覚で書くことでした。若者に向かっての一方的エールでなく、彼らの揺れるリアルを共有する言葉として『僕ら以上の僕ら。』を投じました。『僕のことをわかったふうに言うな。』の一連のコピーも、街に投げつつ、自分にも投げかける言葉として浮遊させたいと考えました」と、児島氏。

そのコピーを受け取った山崎氏は、この一案だけをライフカードにプレゼンした。「『僕のことをわかったふうに言うな。』は攻撃的なコピーに見えますが、若い人たちの本質をついていると思いました。どんな人も他人にはなれないから、自分が得意なことやできることを最大化していくしかない。そのメッセージは、きっと若い人たちにわかってもらえるのではないかという確信がありました」(山崎氏)

そしてアートディレクター 佐野研二郎氏が、そのコピーをデザインした。

「コトバの勢いを出すべく、右上りに斜体をかけ、トラッキングは極力ツメて文字と文字が接するようにして感情がたたみかけるようにデザインしました。枠からはみ出すことで強い意志とカードやカーソルをイメージした記号をいれて‟これから“を表現しました」(佐野氏)

またグラフィックでは、被写体の感情と体の動きをとらえるべく、南 阿沙美氏に撮影を依頼。「エモーショナルで力強い写真を光速で撮ってくれました。選ぶのが困難なくらいの量とすばらしい写真でした」(佐野氏)という。
疾走感のある一連のグラフィックは、2月1日から渋谷駅・ハチ公前広場を中心にセンター街入り口や109、地下鉄通路などで展開中だ。さらに駅前の大型ビジョンも連動し、そこではムービーが流れている。

「いまの時代に若者にワークするブランド広告ってなんだろう、と考えたのですが、前時代的ないわゆるいい表現を作っても、集中持続時間の短いいまのターゲットには刺さらないと思い、メインのメディアとして渋谷のビルボードやビジョンを大量にジャックして、立ち上がりのムービーもそのOOHのコピーを渋谷の若者あのちゃんが読んでいるだけの企画にしました」

ライフカード「僕ら以上の僕ら。」篇

ムービーの舞台は、渋谷のスクランブル交差点。誰かと待ち合わせをしている風のあのさんは大型ビジョンに映しだされる広告を見て、そのコピーを読み上げる。このムービーは「児島さんのコピーを最大化」(山崎氏)するように企画が立てられ、あえてストーリーはつくらず、極力無駄を排除した表現にしたという。そして「渋谷のリアルさ」を追求するべく、関係各所に許可を得たうえで、実際にあのさんに交差点の一角に立ってもらい、井口弘一監督含め数名のスタッフが撮影に臨んだ。

リアルな若い人たちの姿を見せたいと考え、あのさん以外にダンサーのKazuho Monsterさん、武術家の齋藤志保さん、彫刻家の佐々木麦帆さんを起用。彼らもまさに自分の道を進み、「いまを生きる人」たち。現在それぞれのムービーも公開されているが、いずれも「こちらが意図したキャラクターをあてはめるのではなく、そのままの姿を撮らせていただいた」(山崎氏)という。

「ローンチして1週間足らずですが、期間限定で渋谷のOOHジャックをメインのメディアにしたのは大正解だったなと思っています。交差点周りのビジョンで動画を一斉に流れるのはすごく目立つし、それを面白がって皆さんが写真や動画をSNSで拡散してくれる。

渋谷に行かない地方の方にもきっちり渋谷の広告が届く時代、センスのいい動画をアップしてくださる方もいて、いまどきの若者はすごいなあと感心しています」(山崎氏)

児島氏も「結果、ネオ東京でサイバーパンクな展開になり、私は大阪でワクワクしながら、毎晩渋谷のライブカメラで見ています」と話す。

SNSでは、掲出直後から「あのちゃんが渋谷ジャック」「あのちゃんに会いに、渋谷に行く」「あのちゃんがいっぱい」といった声があふれている。渋谷でのOOHは、2月19日(一部は2月12日)まで。今後は、テレビCMのオンエアとともに、6秒ムービーが展開される。

僕ら以上の僕ら。Kazuho Monster篇
僕ら以上の僕ら。齋藤志保篇
僕ら以上の僕ら。佐々木麦帆篇

スタッフリスト

  共通

企画制作
ワトソン・クリック+MR_DESIGN+電通+春企画東京
CD+企画
山崎隆明
C
児島令子
AD
佐野研二郎
CPr
寺田昌樹、楠満葉
Pr
石川博之、市川拓弥
PM
越部友貴、志岐ひなた
CAS
植芝禎子、鎌形真吏
BP
金子保、藤本翔
出演
あの、Kazuho Monster、齊藤志保、佐々木麦帆

 

  MOVIE

演出
井口弘一
撮影
クマダタカキ
照明
東元丈典
ロケーションCrd
 木村豊
ST
神田百実(あの)
HM
URI(あの)、小原梨奈(他キャスト)
DIT
大多和侑二
編集(オフライン)
平澤優
編集(オンライン)
坂巻亜樹夫
カラリスト
高橋直孝
MA+MIX
増冨和音
音楽Pr
 冨永恵介

 

  グラフィック

D
村松弘友紀
撮影
南阿沙美

 

  WEB

Webディレクター
寺田昌樹
Webディレクター+D
奥村 将司
コーダ
吉垣 匡敏

ECD:エグゼクティブクリエイティブディレクター/CD:クリエイティブディレクター/AD:アートディレクター/企画:プランナー/C:コピーライター/STPL:ストラテジックプランナー/D:デザイナー/I:イラストレーター/CPr:クリエイティブプロデューサー/Pr:プロデューサー/PM:プロダクションマネージャー/演出:ディレクター/TD:テクニカルディレクター/PGR:プログラマー/FE:フロントエンドエンジニア/SE:音響効果/ST:スタイリスト/HM:ヘアメイク/CRD:コーディネーター/CAS:キャスティング/AE:アカウントエグゼクティブ(営業)/NA:ナレーター


 

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