国民生活センターは3月15日、米飯の糖質を低減できるとうたう電気炊飯器の広告に対し、メーカーに対して、低減率を表示する際は炊飯条件を明示するなどの要望を発表した。行政に対しても、景表法上の問題があり得るとして、事業者への指導を求めた。
調査対象は糖質低減を掲げる電気炊飯器6ブランド。そのうち4ブランドのWebサイトで最大の低減率が示されていることを確認した。いずれもどのように炊くと低減されるのかについての説明はなく、説明書で炊飯モードごとの低減率の目安を示しているのは1ブランドのみだった。
国民生活センターが各炊飯器の糖質を減らす機能を用いたところ、すべての銘柄で「糖質カット」米飯の水分量が、通常のものと比べ1〜2割増加。炊飯後に同重量で比べると、糖質(=でんぷん)を含む割合が相対的に減るものの、もともとの米の重量でみたときには糖質の量は大きな変化は見られなかったという。
「同じ量の米を炊いた米飯をすべて食べる場合、摂取する糖質の量に大きな差はないため、食べる際には注意いただきたい。『ダイエット』や『糖質制限』など健康増進効果があるかのような表現は、消費者の誤認を招き、景品表示法上、問題となるおそれがある」(国民生活センター)
糖質カットをうたう炊飯器に対する消費者相談は、2021年9月以降急増しており、21〜22年にかけ、237件寄せられている。「糖尿病なので、本当にカットされているか心配」などの声があるという。
低糖質機能を持つ炊飯器を製造・販売しているアイリスオーヤマは16日、「当社製品においては、広告などの表示の低減率を満たしている」と発表している。