芳林堂書店高田馬場店は3月末から4月にかけて2回にわたり、最寄りのJR高田馬場駅構内で同店を舞台とした小説が読める「物語の入り口、芳林堂書店」と題したポスター広告を掲出した。3月から同店の外看板が設置されたことから、店頭への送客効果を高めることが狙いだ。
いずれもミステリー作家が同店のために書き下ろした小説が読める広告となっている。第一弾(3月29日~4月4日)は青木杏樹氏による「高田馬場の本屋と、アタシたち」で、店舗に立ち寄るとポスターなどで続きが読める仕掛けに。第二弾(4月19日~26日)は天祢涼氏の「芳林堂書店高田馬場店の“ゴカイ”」で、小説の中に出てくるフェアを実際に店頭で実施しているという演出とした。
芳林堂書店を運営する書泉の手林大輔社長によると、本企画の始まりは集客に悩んでいた店舗によるTwitterでの発信だった。
「2022年の春ごろ、芳林堂書店高田馬場店には外看板がありませんでした。コロナの影響が残る中、集客に悩む店舗ではチラシを手配りしていました。ただのチラシですとなかなか手に取ってもらえず、店長がTwitterで『チラシに掲載できる掌編小説を書いてくださる方がいらっしゃらないか?』とつぶやいたところ、青木先生、天祢先生からお申し出があり、小説を書いていただくことができました」(手林社長)。
【芳林堂書店高田馬場店】当店チラシの裏側に、青木杏樹先生と天祢涼先生に書いて頂いた「芳林堂書店高田馬場店を舞台とした掌編小説」を印刷させて頂いております。無料ですのでご来店の際はどうぞお持ち下さい!
青木先生にPOPを頂戴しましたので設置致しました。 pic.twitter.com/PfPzkjoS0T— 芳林堂書店|高田馬場店【高田馬場駅徒歩1分ロータリー沿いドンキ上】 (@horindobaba) April 26, 2022
なお「掌編小説」とは、文字通り「手のひら」におさまるような、短編小説よりも短い物語のこと。
無事に2023年3月には同店の外看板も掲出できた。再度、高田馬場に店舗があることを広く知ってもらうためのプロモーションが必要と考えた際に、前年に提供してもらった掌編小説をそのまま駅貼りのポスターにすることを思いついた。
今回のポスター掲出により、店頭への送客効果の手応えも感じており、3月以降、少しずつ平日を中心に集客数が対昨年を超えてきているという。「売上も対昨年を上回る推移となっています。店頭でもお客さまとお話しする際に、トイレの場所を聞かれるなど初めて来店される方ならではの質問をたくさん受けている印象があります」(手林社長)。
芳林堂書店高田馬場店は1972年 12月に開店。芳林堂書店の自己破産を経て2016年に書泉へ譲渡され、2018年に店舗を改装しリニューアルオープンした。手林社長によれば、今後も高田馬場という街に根差した「本屋らしい」プロモーションを続けていきたいと考えている。
スタッフリスト
書泉/芳林堂書店高田馬場店
「物語の入り口、芳林堂書店」
- 企画制作
- 書泉
- ECD
- 手林大輔
- CD+AD+D
- 仲尾次千尋
- 企画+C
- 山本善之
- AD
- 仲尾次千尋
- C(小説)
- 青木杏樹(第一弾)、天祢涼(第二弾)
- 印刷
- ラクスル
- 掲出
- JR高田馬場駅構内(第一弾:3/29~4/4、第二弾:4/19~4/26)