多くの企業・団体が生活者との直接的な接点として活用を進めているSNS。B.LEAGUEに所属するプロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」は6つのSNSを活用しファンと交流を図っています。同クラブではどのようにSNSプラットフォームを使い分けているのか聞きました。
※本記事は、『広報会議』8月号(6月30日発売予定) の転載記事です。
6つのSNSの機能を整理し運用
B.LEAGUEが発足した当初から同クラブではSNSアカウントを開設していたが、強化を開始したのは2018年から。スタジアムへの来場者をいかに増やすか、また、スタジアムの収容人数には制限がある中、より多くの新規ファンを獲得する方法を検討し、YouTubeを皮切りにSNSの活用に注力していったという。
現在は、TikTokで「認知獲得」、YouTubeで「興味」の喚起など、ファン育成のフェーズごとに主に活用するプラットフォームを決めアカウントを運用(図)。
図 川崎ブレイブサンダースのSNS別「機能・目的」
SNSの効果は、初めて来場した人に「接触したメディア・SNSプラットフォーム」についてアンケートを取ることで計測している。
ブレイブサンダースのSNS発信が多くの人に広がる転機となったのが、2019年12月に投稿したYouTube動画「【ガチの神回】プロバスケ選手はどれくらい後ろからシュートが決まるのか検証した結果…」。2019年以前は“かっこいいプレイ動画”中心であった投稿を、視聴者が楽しめる企画系コンテンツへとコンセプトを一新。視聴者層が広がったことが反響につながった。
その後、YouTubeではUUUMのクリエイターとのコラボにも発展。「DREAM GAME2022」というリアルイベントとライブ配信の実施に至った。イベントでは、ブレイブサンダースvs YouTuberなどのバスケットボールでの試合が行われ、現地では5000席が即日完売、ライブ配信は同時接続数で日本歴代上位に食い込むほど反響を呼んだ。当時の動画は現在でも視聴でき、2023年6月時点で540万回以上の再生回数を誇っている。
他媒体での紹介が採用にも影響
同クラブのSNSにはメディアからの注目も集まっており、『がっちりマンデー!!』(TBS)、『ふぉろみ&ただみ』(テレビ大阪)といったテレビ番組でも紹介されている。
「メディアで取り上げていただいたことは、採用の応募につながっていたり、スポンサー候補企業にご注目いただくきっかけにもなっています」と広報部の田中聡氏は話す。
現在の課題は機能・目的別にSNSを運用しているが、即時性の高い情報発信機能を持たせているTwitterにおいて、来場者のフォロー率が十分ではないこと。届けなければならない情報をタイムリーに届けられるよう、今後も工夫していきたいと田中氏は語った。
『広報会議』8月号 、特集1のテーマは「SNS」。
SNS広報初心者のための基本からChatGPT活用迄、すぐに実践できるノウハウを紹介。本記事の川崎ブレイブサンダースのほかにも、TOTO、わかさ生活、YKK APなど、事例も多数掲載しています。
広報会議2023年8月号
「“知られていない、伝わらない”を解決 SNS」特集
入門編
SNSアカウントの運用を任されたら押さえておくべき10のこと
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