博報堂は7月3日、ユーキャンと共同でリスキリング機会を提供する新会社「HUG」の事業を開始した。個人主導での活用を促し、同社のサービスを通じて育成した人材供給を目指す。代表取締役は、人材開発関連のRoad(東京・江東)の代表を務める片江光太氏が就く予定。博報堂の溝口世史紀氏も代表に名を連ねる。
Roadはこのほど、HUGに買収され、完全子会社化した企業でRUHに社名を変更する。エンジニア向けのリスキリングシステムの開発実績があり、学習モチベーションの維持などを担う。講座提供など学習支援はユーキャンのノウハウを生かす。
リスキリングは、6月に政府が公表した「骨太の方針2023」の「構造的賃上げ」を支える手立てのひとつとされる。経済産業省も3月末から「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の公募を始めた。企業経由が中心となっている在職者への学び直し支援策も、5年以内をめどとして効果を検証し、過半が個人経由での給付が可能となるよう、直接支援を拡充する考え。
学習支援プラットフォーム「cousera」の2022年のユーザー調査では、学習の動機づけは景気悪化によって促される傾向がある。ユーザー数では日本を含むアジア太平洋地域で3180万人を数え、日本は世界6位。前年から3つランクが低下した。