「第15回 販促会議 企画コンペティション」(販促コンペ)のグランプリに、博報堂の池邊航太、遠藤陽南子の両氏が輝いた。カラオケ「JOYSOUND」を展開するエクシング(名古屋市)が提示した課題に対し、歌った曲目(セットリスト)をレシートに印字する企画「セトリレシート」を応募した。
エクシングの課題は、「社会人がカラオケボックスに行きたくなるアイデア」を求めるもので、「セトリレシート」は、店舗の運営体制や手順を大きく変えることなく、店を後にしてからもカラオケ店での体験を思い出として残せる点が評価された。
企画した池邊氏、遠藤氏は9月7日に開かれた贈賞式で「第一にカラオケ店が大好きなので楽しく企画できた。その気持ちも伝わって受賞できたのではないかと思うとうれしい」と喜びを口にした。
審査員長を務めた嶋浩一郎氏(博報堂、博報堂ケトル)は、第15回に集まった企画について、「取扱説明書がいらないということを改めて実感した」と講評。
「今回も学生からの応募が多く、業界全体にとっても希望の光と言える。一方で上位入賞作品にはプロの力が垣間見え、個人的にうれしく思う。今年の販促コンペは終わるが、それぞれが業務に戻っても企画力を発揮し、いつか現場を共にできれば」(嶋氏)
グランプリに準じる「ゴールド」(金賞)は2点、「シルバー」(銀賞)は3点が決定した。課題提示企業と企画名は次のとおり(五十音順)。
■グランプリ
・エクシング「セトリレシート」
池邊航太、遠藤陽南子(共に博報堂)
■ゴールド
・Jackery Japan「初日の電」
丸山優河(プラップジャパン)、吉田彩音(マッキャンヘルスケアワールドワイドジャパン)
・ピクシブ「ペタッとQR」
今瀬明仁、川島優香(共に電通デジタル)
■シルバー
・エクシング「このあと、カラオケ行こーすたー」
山本啓太(会社員)、槻舘 翼(IN FOCUS)
・神戸市役所「一気にディープな関係人口を増やすアイデア」
福田一則(大学院生)
・大日本除蟲菊「サッサと出品」
丸山律子(Wunderman Thompson Tokyo)
■学生賞
・サントリー食品インターナショナル「THE STRONG Climb Challenge」
伊藤璃音、小林美穂、福冨希羽(以上 法政大学・経営学部 市場経営学科)
・大日本除蟲菊「サッサブルーム」
石田 爽(長岡造形大学・造形学部 視覚デザイン学科)
・ピクシブ「Kids Works @pixivFACTORY」
牛尾 玲(京都大学・経済学部 経済経営学科)
■協賛企業賞
・アディダスジャパン「try on ad」
杉山祐太(博報堂)、浮亀広大(プラチナム)
・エクシング「このあと、カラオケ行こーすたー」
山本啓太(会社員)、槻舘 翼(IN FOCUS)
・NECパーソナルコンピュータ「推しカスタマーサポート」
高谷朋世、小川元輝、舩富 倫(以上aーhum)
・國枝商店「垢抜けよじこの100日」
冨田佳菜子、横山由季(共に博報堂)
・神戸市役所「神戸里山でつながる『TAKAMURA Guild』」
三橋清晃、浦添求道、久志本 駿(以上 ジャパンコミュニケーションズ インスティテュート)
・コクヨ「コク用函」
櫻井爽太、戸松嶺太郎(共に電通)
・サントリー食品インターナショナル「THE STRONG SWITCH」
近藤祐一(NTTデータ)、岡村崚平(トルク)
・Jackery Japan「ジャクリコンセントステッカー」
野村直生(学生)、西村竜一(会社員)
・大同生命保険(健康経営)「全国一斉中小企業健康診断」
坂口浩司、新井さくら(共に500G)
・大同生命保険(どうだい?)「経営者専用広告」
吉野 渉(未来アクセラレート)
・大日本除蟲菊「DJサッサ」
石野亮真(博報堂プロダクツ)、菊野くるみ(ゼロイチ)、岩瀬かいや(フロンティアインターナショナル)
・日能研関東「ヒニンチ能研」
木村奈緒巳(Mizkan Holdings/ZENB JAPAN)
・ピクシブ「プラスワン工房」
冨川真由(スコープ)
・フォントワークス「フォントブレスト」
山内優揮(BBDO JAPAN)
・プロスタッフ「定期便 洗車コンシェルジュ Kirari」
佐藤優香、須藤真美、宮 佳澄(以上ハミングバード・インターナショナル)
・マネックス証券「言い訳ワンフレーズ」
中居誠大、伊藤麻由香(共に電通デジタル)
・三井住友海上火災保険「ミニカー保険」
田嶋千寛、本多俊太、坂本忠謙(以上博報堂)
・Link Sports「MY SELF 号外」
関口智也(ADKクリエイティブ・ワン)、関口 愛(フリーランス)
・ロート製薬「鉄分たっぷり」
川島未緒(モメンタム ジャパン)
・ロート製薬(メラノCCmen)「止まろう、私。」
古山昂典(静岡新聞社)、川村真悟(エヌ・ティ・ティ・アド)、密山直也(ペンギンギン)
「販促コンペ」は、雑誌『販促会議』が2010年7月に開始。第15回はアディダスジャパンや、神戸市役所、大日本除蟲菊、ロート製薬など18社が、自社の商品やサービス、施設など計20のプロモーション企画を公募した。応募総数は計4446点だった。
審査は(1)人が動くリアリティ (2)課題解決に“その手があったか”というクリエイティビティ (3)オペレーションを最小限にしたフィジビリティの3点を主な基準に、応募者の氏名や所属を伏せた状態で行う。