高級ギフトチョコレートをはじめとした洋菓子・スイーツを製造・販売するメリーチョコレートカムパニーは9月1日から、23年ぶりにリニューアルした「チョコレートミックス」の販売を開始した。商品のリニューアルに合わせて、パッケージも刷新。デザインのこだわりについて、同社 マーケティング本部の商品デザイナーに話を聞いた。
——今回のパッケージデザインには、どのような想いを込めたのでしょうか?
リニューアルに際して一番に考えたことは、長い間お客さまに愛されてきた商品の“歴史”を大切にすることです。一方で、時間の経過とともに古さが出ている部分が何かを検討し、今の時代や感覚に合うようリデザインし、商品としての鮮度を上げていきました。
「チョコレートミックス」はメリーチョコレートの代表商品で、ある調査ではメリーチョコレートのイメージを「赤いチェックの缶」とお答えになるお客さまも多くいました。認知度の高さや他社と差別化できていることから、赤いチェックを引き続き使うことは、早い段階から決めていました。
弊社のロゴマークである女の子の横顔を印象的に使用したこと、箱商品のサイズを白銀比にして統一感を出し、全価格帯で見た時のデザインの統一性を図ったこともこだわりです。個包装は、キラキラした見た目を踏襲し、味のイメージがしやすく、美味しさを連想させる色合いを選び、現代的ですっきりとした印象に仕上げました。
メリーチョコレートでは現在ビジュアルアイデンティティの統一を進行しているため、チョコレートミックスのリニューアルによりメリーチョコレートブランドの全体の見え方の向上につなげることも考え、デザインを構築しました。ふたを開けるとキラキラした個包装が飛び出してくる様子は、メリーチョコレートの印象そのもの。お客さまに喜びや楽しさ、わくわくなど多くの幸せな気持ちを届ける商品になってほしいと願っています。
——今回、インハウスでのデザインと伺いましたが、どのような体制で開発を進められているのでしょうか。
今回のパッケージデザインを手掛けたのは、当社 マーケティング本部の福田智江子です。
商品企画自体は、マーケティング本部や営業本部の関連部署からそれぞれ1〜2名ずつ集まり、チームを組んで行っています。デザイナーや企画、製品開発、MD(店舗づくりや商品政策担当者)、広報、営業などが、コンセプトからパッケージデザイン、味、ディスプレイに至るまで、チームで検討し合いながら進行します。そのため、メイン担当以外の部分の話し合いにも参加しています。
チーム検討で挙がった課題や意見などを各部署に持ち帰り、それぞれの部署でさらにブラッシュアップし、またチームにフィードバックしながら、商品を形づくっていくという仕組みです。
——貴社にとって、“パッケージデザイン”とは。
当社は創業70年以上のチョコレートメーカーで、チョコレートがまだ一般菓子として今ほど普及していない頃から贈答用のチョコレートを生み出し、創業当時からパッケージデザインにこだわってきました。
パッケージデザインとは、お菓子の元々の美味しさや食べる喜びを何倍にも膨らませてくれる大切な要素だと考え、お菓子で幸せを届けていきたいメリーチョコレートだからこそ、パッケージを大切にし、かなり力を入れています。
デザインは中身のお菓子やそのブランドを体現するものという考えのもと、ただかわいい、ただきれいではなく、より美味しく、より幸せに、よりわくわくするためのパッケージデザインを心掛けています。
スタッフリスト
- D
- 福田智江子