これまで企業は、物質的な満足が人を幸せにすると信じ、製品を改良し、新しいライフスタイルを提案してきた。しかし『カーニヴァル化する社会』などの著者がある関西学院大学の鈴木謙介准教授は「自分のためだけではなく、社会に貢献する生き方をしたいと考える人が増えている」と指摘する。特に震災以降、身近な人との絆を大切にする社会の流れが生まれたと言われるが、人との関係性がこれまで以上に重要視されるようになっている。
そこで鈴木氏は「現代の日本では、社会に貢献することで幸せを感じる人が増えているのではないか。さらに、その貢献も遠く離れた顔の見えない相手ではなく、より身近な人の手助けをできている人の方が幸福度が高いのではないか」との仮説をもとに全国1万人を対象にした調査を実施(シタシオンジャパンとの共同プロジェクト)。仮説通りの結果が得られたことから、調査をもとに著書『SQ“かかわり”の知能指数』を刊行。ここで「SQ」という新たな指数を提示した。
「SQ」とは幸福度を高めるような他者との関わり方を実践できる力で、「①震災後の日本の「幸せの形」を提示他者への貢献」、「②広範囲で協力」、「③モノより心」、「④次世代志向」で構成される。鈴木氏は「『SQ』」が高い人ほど、幸せを感じている」と解説している。(12月15日発売予定、「宣伝会議」記事より一部抜粋)
*鈴木氏のインタビュー全文は「宣伝会議」12月15日発売号に掲載予定です。